嘘つきな清純【雪】

8.天使と理性と悪魔 ページ8

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あべさんとラウにバイバイしてからおばあちゃん家を後にした。

一応今日ももしかしたら帰ってきちゃうかも…という匂わせをしたら全然いいよって言ってくれたからもうお言葉に甘える気でいる。




家に着いて彼が居ないのを確認すると心から安心したのはここだけの話。
分かってはいたけど、やっぱり今は会いたくない。


さっとシャワーを浴びて仕事用に化粧と着替えを済ませ簡単な荷造りをしてからくつろぐこともなく家を後にした。


あれから彼からの連絡は1回もない。
でも、それでいい。

…前みたいになるのが怖いから。




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終業後、なんだか今日はいつもより効率よく仕事ができた気がするなぁって思った。

そのことに嬉しくなってきっちり定時で上がったけど電車に乗りながら少しずつ気持ちが落ちていった。

また来たのかよ。図々しいなとか思われてんだろうな。
って被害妄想がどんどん頭の中で追い打ちをかけてきて帰りづらくなる。

とはいえ他に帰る場所があるわけでもなく今はばあちゃん家に帰るしかない。しょうがない。


どう思われようが関係ない。他人だ他人。
だってまだ2人しか名前知らないし、なんなら何人住んでんのかも知らないし。


家に着く間そう何度も理由付けして心が折れないように耐えて、いざ玄関前。



『…うわ、』


そうじゃん私鍵ないからピンポンするしかないんじゃん…
やだぁ…

って思わぬ敵に心がすっかり折れてしまった。


どうしようか…
　


「だれ？」

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