34.隠し事をするのは得意（宮館side） ページ34
.
『…だてさーん』
宮「んー？」
『これ…』
ある日の土曜日。
リビングのソファに座っていたら午後から仕事のAがおずおずと近づいて来て紙袋を差し出した。
宮「…チョコ？」
『うん』
中を覗くと小さな箱に入った有名な高級チョコレート。
宮「え、今日バレンタインだっけ？」
『ちがう笑』
宮「え？」
だって突然チョコ渡されることなんてバレンタイン以外ある？
あったら教えてほしいよ？
『こないだの…あの…』
宮「こないだ？」
『みかん…』
あ
宮「ふふ」
『お詫びにもならないかもなんだけど、本当にあの…』
こないだのね。
みかん事件ですね。
宮「…実はですね」
『はい』
宮「あれ以来みんなから高級食材やら高級フルーツやらたくさんもらいすぎてまして今俺すごいリッチマンです」
『リッチマン…』
ふっかからはこないだの高級みかんもらったし
佐久間からも高級フルーツ盛り合わせセットもらったし
あべからも高級な珈琲もらって
康二と目黒とラウから高級なお肉までもらっちゃった。
あと翔太は最近会うたび、これ超美味しいやつなんだけど食べる？ってグミくれるし。
宮「なんかね棚からぼたもちの気持ちだよ」
これこれってみんなからもらったものを見せるとうわっ、美味しそう…って目をキラキラさせるAの反応はちょっと翔太と似ている。
まだ出会って間もない頃からだてさんだてさんと呼ばれるから最初はすごいフレンドリーな人なんだなって思ってた。
けどよくよく聞くとみんながだてさんって呼ぶから“伊達さん”って名字だと勘違いしてたらしくてそんなちょっと天然なところに日々癒されている。
『わっ…このみかんはもしや…』
宮「ふっかがね同じのくれたの」
『伝説のみかんだ…』
宮「ふふ」
今はもうね輪の中にいるのが当たり前な君だから
宮「1個だけあげる」
『え』
宮「内緒ね」
『…偶然なんですけど』
宮「はい」
『唯一の特技が隠し事することなんですよ』
宮「だと思ってました」
『んふふふ、やった』
このまま平穏な日々が続くといいなぁって俺は思っています。
35.誘われ待ち（岩本side）→←33.青春しにいこうよ（目黒side）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2522人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ある。(プロフ) - mamemiyaさん» 初めてのコメントありがとうございます！そうっていただけてとても嬉しいです(*´-`) (6月23日 23時) (
レス) id: 1f4f5764c8 (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。今後の展開がとても気になります。更新楽しみにしてます！ (5月30日 17時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
ある。(プロフ) - 綾音さんさん» 綾音さんコメントありがとうございます♡好きな作品と言っていただけでとても嬉しいです🥺励みになります。 (2023年4月29日 22時) (レス) id: 1f4f5764c8 (このIDを非表示/違反報告)
ある。(プロフ) - 樹乃さん» 樹乃さんはじめまして☺️ありがとうございます！！そう言っていただけてとても嬉しいです(*´-`)更新頑張ります！ (2023年4月29日 22時) (レス) id: 1f4f5764c8 (このIDを非表示/違反報告)
綾音さん(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。好きな作品なので更新とても嬉しいです〜！ある。様のペースでこれからも頑張ってください🫶🏻 (2023年4月22日 20時) (レス) @page45 id: 5de1a4939a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ある。 | 作成日時：2022年10月25日 0時
