嘘つきな清純【雪】

16.妥協じゃなく納得 ページ16

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『え』
ラ「だからねここで暮らしていいよーって」


さっきの話し合いからすぐに部屋に戻って出て行く準備をしていたら部屋がノックされて扉を開けるとラウがいた。

今までどっちかが座ってる時にしか遭遇してなかったからかはじめて並んで立つとこんなにも背が高かったのかとびっくりする。


ラ「…みんなねしょうがないなぁじゃなくて、ちゃんと納得した上で一緒に暮らそうって」
『いや…』


私にだってわかる。
だてさんが言っていたこと。みなさんからの戸惑い。

ばあちゃん家だからって甘えて安易に言葉にした私が悪かったんだ。


『…ありがとうラウ』
ラ「ううん。あのね俺の部屋はねー」
『でも大丈夫。私大人だし家出てってもしばらくは暮らしていけるから』
ラ「…」
『ごめんね』


宮「望田さん」
『…』
ラ「だてさん…」


しっぽを下げたみたいにしょんぼりしたラウの後ろからだてさんが現れた。

なんとなく気まずくてお辞儀をすると、さっきラウたちと話していたことをゆっくり聞かせてくれた。


ここには今9人で暮らしているから常に誰かしらが家に居てラウのことは守ってくれるから大丈夫とのこと。

今はみんなが私がここに暮らすのに賛成しているということ。


宮「なのでもし望田さんさえ大丈夫なのであればここに住んでいただいて僕らは大丈夫です。」
『…』
宮「…さっきは詰めるように責めてしまってすみませんでした。」


そう深々と頭を下げようとするだてさんに驚いて思わず肩を手のひらで止めてしまってすぐに引っ込めた。


『そんなっ、私が皆さんに迷惑を承知で言ったことなのに…だてさんが頭を下げないでください』
宮「…」

『…すごくお気持ちありがたいです。でも、』


ラ「もうでもでもやめよ。大丈夫だから、それよりAちゃん円満なお別れの仕方考える方が大変なんじゃない？」
『大変だけど…』
ラ「そっちの作戦会議しようよ、ほら。とりあえず荷物広げて、昨日みたいにすっぴんだるだるになって」
『だるだる…』
ラ「ね、俺一緒に考えたげるから」
『だるだる…』


ちらっとだてさんを見ると大丈夫。って言ってくれてるみたいに頷いてくれて、あぁ本当にここに居ていいんだなって一気に安心した。

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