嘘つきな清純【雪】

15.僕らが守りたいのは（向井side） ページ15

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ラ「…痛いの知ってるから」

ラ「ほっとけない」


ラウの言葉に、ラウの優しさに俺たちは何も言えんくなった。


元々俺とめめとラウ以外の6人が先にここで暮らしていて俺たちは少し後にここで暮らすようになった。


初めて会った時ラウはまだ中学生で、おばあちゃんに連れられたラウの姿は今でも目に焼き付いていて酷くボロボロやったのを忘れられない。


実の両親から受けた暴力の痕。
光を失った目に小刻みに震え続けている身体。

普通の中学生がしなくていいことをたくさん経験してしまったラウをあの時そこにいる全員が守らなきゃと思った。

この子が安心して居られる場所を俺たちが作るんやって。



そのラウが、暴力の怖さと痛みを1番知っているラウがAちゃんのことをほっとけないと言っとる。



ラ「絶対に危険がないとは言い切れないかもしれない。でも、そもそもこの家に居て俺が1人になる事ってほぼほぼなくない？」
向「…たしかに」


ラ「岩本くんは在宅勤務だし会社員組は土日休みでしょっぴーとかさくまくんとか康二くんは平日休みでしょ。人数多い分常に誰かしら家にいるんだよ。インドア派も多いし」
宮「…たしかに」


ラ「というかその彼氏がどんな人かはわかんないけどもしかしたら男からしたらマサオくんばりに弱々男子かもしれないよ」
岩「…そうね」


ラ「って思ったらなんか大丈夫な気してこない？どう？」


あぁ、俺らの末っ子はほんまに。

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