嘘つきな清純【雪】

12.好奇心はいつだって（目黒side） ページ12

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『…しばらくここに住ませてほしいんです。』


ラウールがお風呂に入ってる間みんなでぐーたらしていたらお孫さんが階段を降りてきてみんなにお願いがあると言った。


岩「しばらくってのは？」
『次の家が、見つかるまで』
岩「…」


あ、なんか家ないって言ってた
康二が絶対訳ありねーちゃんやで〜とか言ってたけどなんだか本当にそうっぽい。


渡「いんじゃない？元はAん家なわけだし。おばあちゃんに言っとけば」


さほど興味がなさそうなしょっぴーは軽くそう答えたけどいわもとくんとだてさんと康二の表情は少し固め。

さくまくんは少しピリついた空気を察して静かだし。

あべちゃんとふっかさんはいいよーって感じでしょっぴーの言葉に頷いていた。


そんで俺は


目「なんで家ないんですか？」
向「めめ」


気になるから聞いちゃう。
康二が諭すように俺の二の腕に触ったけど気にしない。

だって気になるじゃん。
普通に仕事もしているこのお姉さんが家ない理由。


渡「えっ、お前家ないの？」
『うーん…』
渡「なんで」


知らなかったらしいしょっぴーはうわっていつもみたいに驚いている。
やっぱ答えづらかったかな、と思いきやなんて説明しようか言葉を選んでるみたいだった。


そして、


『同棲中の彼氏がいる。喧嘩した。相手のお手手もろもろがでちゃうようになった。逃げてきた。』


そう指を折りながら箇条書きみたいに話した。


目「D V…ってこと？」
『うんー…うん。なので家が正確にないかって言われるとあるんだけど正直帰りたくないって感じです。』


訳ありだろうな、ってみんな思ってた。
でもさっぱり話す彼女の背景が思ってたよりも暗くて少しだけ自分の眉間に皺がよったのがわかった。

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