キミガシ……え？死ななくていいって？2

〈体が縮んでしまっていた！〉2 ページ29

ユキヤ「あぁもうほら、そんな詰め寄ったら怖がるに決まってんでしょうが…。」



ひょいっ、と、体が宙に浮いた。
誰かが自分を抱き上げる感じ。しかし、さっきより目線が高い。


横をみれば、なんだか整った顔の男の人(ユキヤ)の顔がすぐ近くにあるからびっくりである。

彼は、驚いてるなんてつゆ知らず、自分の目元に手をのばすとその涙をぬぐった。

ユキヤ「お前、俺の事知ってる？」

『…？』

オリが首を横に振る。

ケイジ「どうやら、中身も幼児化してるようだ。」

『！！！！』

ユキヤ「あーもーほらー、ケイジさん顔怖いってぇ。」

ジョー「なんつーか…結構人見知りなんだな。」

サラ「良かったなユキヤ。懐かれてるぞ。」

サラの言う通り、リトルオリはユキヤの服をぎゅうっと掴んではなそうとしない。
ユキヤかカンナ以外の人物が近ずけば、びくりと肩を跳ね上がらせて目に涙を浮かべる始末。

そういうわけで、リトルオリの世話をユキヤとカンナが見ることで満場一致した。



…と、ちょうどその時。


ソウ「…え、どういう状況？」

寝起きとみられるソウの登場である。

カンナ「オリさんが小さくなってしまったんです！」

ソウ「………は？」

ユキヤ「そうですよね、普通はそんなりますよね。」


共感しながら、ユキヤはソウに近づく。

ソウは、ユキヤの腕の中のちびっこを見て怪訝な顔をする。
え？これが？みたいな顔を向け、そう、これが。とユキヤが頷いたところで、リトルオリがそろりとソウの方を向いた。

ぱちり、と、互いの目が合う。

『…………。』

ソウ「…………。」

オリは泣くことはなく、その視線はどんどん下へ。



ソウ「………マフラー、気になるの？」

『…………まふらぁ？』



舌っ足らずの口調で、オリがこてんと首を傾げた。

ソウ・ユキヤ「「っ………………！！！！」」


カンナ「あ、可愛さに耐えてます。」

サラ「あの状態のオリは無敵かもな。」


可愛さ攻撃に耐え、ソウがオリにマフラーをかけてあげれば、オリは目をキラキラとさせた。

『まふらぁ………！』


ソウ・ユキヤ「「ぐっ……………………」」





この純粋さ、今のアイツに少しでも分けることが出来ればいいのに…………


そう思う2人であったとか。

リクエストより〈夏だ旅行だ青い海だ！〉1→←リクエストより〈体が縮んでしまっていたぁ！！1〉

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す