キミガシ……え？死ななくていいって？2

〈九重という少女〉3 ページ27

『あ、ははっ、はははっ、ははははっ…！』


笑いが止まらないのに、目から涙も止まらない。


ぐるぐるする思考、

移り変わっていく視界、ユキヤやカンナ達が増えては消え、サラちゃん達が消えては現れる。

もう、何を言っているか聞き取れない。


自分の笑い声だけが、頭に響いてくる。



おかしくてたまらない。


悲しくてたまらない。



『あぁ、そうか、私が悪いのか、そう、私が悪いんだっ、ははははっ…!』



もう、見てもなんとも思わなくなってしまったパーカーとヘッドホンを辺りに投げては、おかしくなる。




Ｑ太郎「おいっ、馬鹿野郎、一体何してるぜよ！！」





とっくに気づいていた。


自分の精神が、既に限界に達していたと。


もう、止められないと。


私は、壊れてしまったのだと。




だけど、もう、思い出せない。



どういう時に泣いて、


どういう時に笑って、


それが、どうしてだったかも、何もかも、







もう、思い出せない。








早く、楽になりたい。









ふと、目に入った、黒光りする拳銃。







きっと、フロアマスターは、参加者が反抗した時のためとかに、みんな持たされているんだろう。

…そんな事を、考える思考すら、私にはなく。






ハンナキー「っ！？オリさん、ダメです、返してっ！！」



みんなの焦った顔。






『あっ……………ははっ、』





乾いた笑いが、口からこぼれる。






『……………どこで、間違えちゃったのかなぁ…？』






冷たい銃口を額に当てて。









『……………今から、いくよ。』

サラ「ダメだっ、オリ____________!!!!!!!!!!!」









『ばん。』





ﾊﾟｧﾝッ………………!!!!!


………………ビシャッ









私は、その手で、引き金を引いたのだった。



___________



「ふっ…ふふふっ、」

「………画面の前で、随分楽しそうだな、ヒヨリ。

今回のシュミレーション、そんなに面白かったのか？」


とある、部屋の一角。





青ざめた顔で、血にまみれたオリに駆け寄り、泣すがるサラ達が映し出された画面を眺めていた緑髪の青年…………ヒヨリは、とても楽しそうに笑った。



「ねぇ、彦。」

「なんだ。」









屈託のないその笑みを向けて、彼は言う。








「君の妹が狂う日が、僕は本当に待ち遠しいよ！」

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