キミガシ……え？死ななくていいって？2

〈どう考えても私じゃないと思うんだが〉4 ページ21

『ねぇ君達さ、もっと周りを見てみなよ。可愛い子が沢山いるじゃないか。…あ、ほら、前田さんとかめちゃくちゃに美人だし、お似合いだと思うんだけどどうよ？』

シン「何が、どうよ、なんだよ…」


いい提案だと思うんだけど、2人ともどうもお気に召さないようで。

…いや、嬉しいけどね？嬉しいけどそれと同じぐらい申し訳なさというか、やるせなさというか、なんか、そういったものが込み上げてくるのよ。


「おいお前ら、せきにつけー。」

ユキヤ「げっ、」

シン「ほら、さっさと戻りなよ。」

ユキヤ「ぐっ…オリ、放課後カラオケな！！」

『ごめん今日バイト〜。』

ユキヤ「はぁ！？お前バイトいれすぎ！！」



やっと私の席に平穏が取り戻され、とりあえず一安心した私は机の引き出しの中でスマホを取り出しゲームを立ちあげる。


おう、やっぱりこういう時はホラゲーにかぎるよな！！




シン「またやってる…チクるよ？」

『大目に見てよシン君。私と君の仲じゃん？悪友じゃん？倫理の授業中に格ゲーし合った仲じゃん？？？』

シン「そういえば今日の3時間目倫理だったね。」

『あ、これはするっきゃねえや。』


これだから1番後ろの席はやめられないぜ。


________


花子「〜〜だからさ、私言ったの！山田君それはこんにゃくだよって！！」

『いくらなんでも天然の域超えてないか山田君…』

待ちに待っていたお昼休みとなった。

いつものように花子ちゃんの惚気話を聞いてたら、隣からふっ…と密かに笑う声が。

シン「いや…ごめん…………ふっ。」

花子「シン君も思うよねぇ！？山田君、ちょっと天然なの！！」

シン「だからってこんにゃくは………」




山田「誰が天然だって？花子ちゃん。」

『あ。』


花子「やややや山田君！？！？なななっ、なんでぇ！？」

ユキヤ「ごめん花子ちゃん、俺が用あってさ、連れてきちゃった。」


ニコニコさわやかに笑う山田君の後ろから、ぴょこっとユキヤが顔を出す。


山田君と花子ちゃんは両者水入らず、2人だけの世界に入ったのをのほほんと見つめていると、のしっと頭に重さがかかりやがった。


『重いんすけど？』

ユキヤ「高さが丁度いいんだよお前。…それよりほら、これやる。」

『え？…え、プリンだよね？え？毒でも入ってる？』

ユキヤ「人の善意をなんだと思ってんだよお前。」

『日頃の行いだよユッキー。…でも、普通に嬉しい。さんきゅー。』

ユキヤ「ふっ…まぁ、な？」

シン「(イラァ)」

〈どう考えても私じゃないと思うんだが〉5→←〈どう考えても私じゃないと思うんだが〉3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す