キミガシネ？...嫌に決まってんじゃん。2 (ページ32)

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ハンデページ32

ケイジ「いやぁ…ユキヤ君って、ホントに織ちゃんの事好きだよね。」

『はぁっ！？だっ、かっ、………………っ、ケイジさん、ぜってぇ楽しんでんだろ………』

ケイジ「あはは、君が取り乱すのってなんか新鮮味があるからさ。」

『くそっ…………遊ばれている……………』

なんて大人気ない大人だろうか。

言い淀んでいる俺を見て、随分と楽しそうだ。

くそうっ………このドSケイジ…………

確かに大人気ないし、なんならどこか胡散臭いかもしれないこの人だけど、なんだかんだ、俺はこの人を信用している。

…なんなら、少し尊敬している。

腹立つけど、頼りになるんだよなぁ。

…腹立つけど、な。

ケイジ「さってと、ここは憩いの場…って言うみたいだね。」

作られた庭園と作り物の空が、ガラス越しに佇む。

するりと腕を離し、作り込まれたそれらをまじまじと観察するケイジさんの背中を見つめながら、俺は密かに考え事をしていた。

…俺は確かに、1度死んだ。

タイムリープした、なんて、突飛な話だ。

…………けど、もしかしたら、この人は信じてくれるかもしれない。

あまりに非現実的な体験に、自分でも混乱していたんだと思う。

こんな嘘みたいな話を話したところで、誰にも信じてもらえるとは思えないが、それでもいいから誰かに話して頭の整理をつけたかった。

『……あの、ケイジさん。』

ケイジ「ん？どうかした？」

『………………、』

一瞬の迷い。

しかし、話したいという気持ちが勝り、覚悟を決める。

『……ケイジさん、俺________』

______1度、死んでるんです。

その言葉を、発する前に。

『っ__________！？！？』

猛烈な痛みが、俺の胸を襲った。

『____、っは、_____、かっ_______っ！？』

ケイジ「！？ユキヤ君！？どうした、大丈夫か！？」

息が、うまく吸えない。

胸元を抑え、ガクンと膝をつく。

『っ、はっ………………ぐ…………』

苦しい、苦しい、苦しい苦しい苦しい

_____ユキヤっ！！

あの時に、似ていた。

死ぬ直前。

俺の命が、尽きる瞬間に。

『…っ、はぁっ、はぁっ……………』

しばらくして、痛みがひく。

突然気管を通り始めた空気に、息が乱れた。

『……………………そういう感じなわけね。』