キミガシネ？...嫌に決まってんじゃん。2 (ページ29)

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七零ページ29

『…忘れてください。』

ソウ「あはは、君も高校生らしいとこあるんだね。」

ソウさんは、相変わらずニコニコした様子で俺に声をかけた。

やめてくれ…その優しさが逆に心抉るって…

『.…………って、いうかソウさんどっから出てきたんですか？いました？』

ソウ「ん？あぁ、それなら、そこだよ。」

そう言うと、ソウさんが背後の廊下を指さした。

そこって言ったって、別に前通ったときには何も…

『……！』

ソウ「……多分、君は好きなんじゃないかな。」

ニコリと微笑むソウさん。

しかしその笑みは、いつものような自信なさげなものではなく、どこか奥のあるもの。

…………隠し部屋、ってわけね？

『………へぇ？』

ソウ「…楽しそうだね。」

『まぁ、そうっすね。否定はしないです。』

がチャリ、ソウさんがドアノブを回した。

ソウ「足元、暗いから気を付けてね。」

『うっす。』

入ってみれば、彼が言った通り部屋は薄暗い。

机の上にスタンドライトとノートパソコン…奥には本棚か。

適当に本棚の本を手に取ってみる。

『……白紙？』

ソウ「そうらしいね。ケイジさんは本の並びにヒントがあるかも、なんて言ってたよ。」

『並び……ですか。ちなみに、この部屋の存在を知ってるのって、ケイジさんとソウさん以外にだれかいるんすか？』

ケイジさんが言っていた俺好みの部屋って言うのは、多分ここなんだろうな。

………………よくわかってんじゃぁ〜ん！！

ソウ「僕とケイジさん以外って言えば、あとは織さんぐらいだよ。」

『織。』

ソウ「この部屋を見つけたのも彼女のおかげだよ。君たちをあの部屋から出すために道具を探してる途中で見つけてね。」

『あぁ…だからあの野郎パーツの存在忘れてやがったのか。』

ソウ「ははは……あ、それでこのノートパソコンは___……」

………いやぁ、まあしかし、こんな狭くて暗い部屋にソウさんといたっていうのは心配だが？

まぁ、ケイジさんもいたんなら大丈夫だな。おん。

『…なるほど？…つうか、ソウさんパソコン詳しいですね。』

ソウ「え？あぁ………まぁ、そうかな？」

『そうですよ。もしかして、ハッキングとかできちゃったりします？』

ソウ「人並み程度さ。そんな映画みたいなことは、残念ながらできないよ。」

………の、わりには、パソコンを扱う手つきがかなり手馴れていた要な気がするけど。

…ケイジさんも掴めないが、この人も大概か。