キミガシネ？...嫌に決まってんじゃん。2 (ページ18)

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六零ページ18

ごとっ

床に響いた鈍い音に、思わず誰かが小さく悲鳴をあげた。

俺の喉も、ひゅっと小さく音をたてる。

ナオ「…先、生？」

ナオさんの視線が、床にころがったそれを追った。

…焼けて、もろくなった彼の頭が、苦しみに歪んだ表情のまま、俺達を見つめていた。

ギン「にゃ…」
『…。』

咄嗟に、ギンの目をふさぐ。

『っ…』

また吐き気が込み上げる。

…あぁ、嫌な空気だ。
できることなら、はやくここから出たい。

Q太郎「クソっ、クソっ、なんつーことがや！」

ジョー「誰が」

ジョーが、ポツリと言葉をこぼした。

ジョー「誰が、ミシマ先生に票を…」

…それをきっかけに、部屋の空気が、ピリッと、張り詰めた。

…予想はしていた。
きっと、みんなが心の内に思っていたはずだ。
一体、誰が、人殺しなのか。と。

まずいな。本当に良くない空気になってきた。
犯人探しなんて始まれば、お互い疑心暗鬼になってしまう。
この状況下、各々が孤立してしまうのは、良くないし…。

クソっ、何とかして、この空気を打ち切らないと。

レコ「黙れチャラ男！」
ジョー「は、はぁ！？だって、投票のせいで先生は…!」
レコ「全員が自分以外に投票した可能性だってあるんだよ…!!」
ジョー「……!!」

おいおい、やばいぞ、その言い方じゃ余計疑心暗鬼に拍車がかかっちまう…!

とにかくまずは2人を落ち着かせ

織「ミシマさんに票を入れたのは私だよ。」

言い争う声が響く中、その場にそぐわず、落ち着いた、それでいてよくとおった声が、俺達の口論をとめた。
全員の視線が、自然とその声の方に向く。

ジョー「なっ…!」

変わらない笑みを浮かべ、織がそこに立っていた。

今この状況で、今の織の発言が自分を不利にするものだというのに、そして、さっき、ここに来てから初めて恐怖し、怒りの感情をあらわにしていたと言うのに、目の前で、人が死んだというのに。

織は、何事もなかったかのように、笑い、明るく振る舞う。

織「だからさ！言いたいことがあるなら私に言ってよジョー君。でもその代わり、これ以上の詮索はしないでくんないかな？みなさんも。…いいですよね？」

一人一人の目を見返しながら彼女は言う。
その言葉に、どこか有無を言わさない圧を感じた。

レコ「織…」

ジョー「っ…頭冷やしてくる…1人にしてくれ…」

フラフラとジョーが出ていく。

…とりあえず、この話はおさまったようだ。