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伍玖 ページ17

ふぅ、と息を吐く。

深呼吸。気持ちを切り替える。


...動こう。




『ソウさん。』

ソウ「ん?あ、ユキヤ君...体調は大丈夫?」

『はい、大丈夫です。...ドア見つめて、どうしたんですか?』

ソウ「あぁ...さっき、ちらっとドアの後ろに何か貼ってあるのが見えてさ。確かめようと思ってね。」

そう言って、ソウさんがドアに向かって行く。

俺も、その後ろをついていった。



さっきの票。
ゼロ票だったのは、織と、ソウさんだった。
それはつまり、少なくとも、自分以外に投票したって事になる。

別に、自分に投票しろって決まってたわけじゃないけど.....

ソウ「...?ユキヤ君?怖い顔してるけど、大丈夫?まだ体調悪い?」

『...いえ!大丈夫っすよ。』

ソウ「...そっか。」


...この人は、一体、何を考えてるんだ。



ソウさんへの不信感が高まりながらも、俺達はドアのもとについた。
ソウさんがドアを閉めてみる。すると、彼が言った通り、ドアの後ろには大きな紙が貼ってあるのが見える。

”弐の試練 〜練習試合〜
これはメインゲームに向けての練習試合
人間の蘇生が開始の合図だ。
指示に従い多数決を行え。
最も得票が多かった者が犠牲になるだろう。
なお、これは練習試合だ。
引き分けなら没収試合とする。”

『これは....、』
ソウ「くそっ!やられた!!」

ソウさんの声につられたのか、みんながドアの周りに集まってきた。そして、文章を読み上げていくと同時に、俺たち同様その悔しさを表情にあらわにしてく。

ソウ「弐の試練...僕達が最初に受けたものと同じ類だよ....」
サラ「気が付かなかった....こんな張り紙...!」
レコ「ちくしょう....私が危険に備えて扉を解放しておこうなんて言ったから...!」

『いや...レコさんが言わずとも誰かが言ってたと思います。..俺らは、そうするよう誘導されてた。
...練習試合、か。もし、同数票だったら....。』


その先は、言葉に出来なかった。
言わずとも、みんなわかっていたからだ。


Q太郎「う、嘘だろ!?ふざけんが!!あ、アイツ、無駄死にってことかよ!!」


もっと、ちゃんと調べていれば。
もっとちゃんと調べていれば、ミシマさんは、助かったかもしれない。

ナオ「先生…先生、嘘ですよね?」

『ッ、ナオさ、』

ナオ「...起きて、起きてください。ダメですよ、みんな心配してるんですから。」

ゆさゆさと、ミシマさんの死体を、ナオさんが虚ろな目で起こし、揺さぶる。

…見ていられなかった。

六零→←伍捌



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クライヤ(プロフ) - なかねこさん» こちらこそありがとうございます!!!! (2021年10月31日 23時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます!!! (2021年10月31日 23時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
なかねこ - うっわずーーーっとニヤニヤしながら読んじゃったありがとうございました。 (2021年10月24日 12時) (レス) @page43 id: c7c3a69365 (このIDを非表示/違反報告)
アズライト@pitter(プロフ) - まぁ確かに嫌に決まっとるわな…w応援してます!w (2021年9月7日 10時) (レス) id: c4b69809d7 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - レイさん» えっへん!! (2021年8月11日 21時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クライヤ | 作成日時:2021年1月31日 7時

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