キミガシネ？...嫌に決まってんじゃん。2 (ページ15)

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伍漆ページ15

織「てめえみたいなクソ野郎の声なんか聞いてるだけで気分を害するからとっととくたばれ粗大ゴミって言ってんだよ。」

怒りを隠そうともせずぶつける織。それなのに、その怒りを向けられているホエミーは、表情ひとつ変えず、まして、笑みさえうかべる。

ホエミー「あらあら、随分正義感が強いですね。赤の他人のために手までそんなにして....今度はそこの小娘を庇うと。随分かっこいいじゃないですか。

.....そんなに、いい人ぶって他人からの信用を稼ぎたいのですか？」

その言葉が、空気を変えた。

織「なっ....!？」

ホエミー「ふふ、何に脅えてるんですか？どれだけ上っ面を飾っても、根本的なところは変わらない。あなたがどれだけ頑張ろうとしても、誰一人助けることは出来ない。」

アイツが耳を塞ぐ。

_誰一人助けることは出来ない。

『っ.......！』

その言葉で、以前、アイツから聞いた話を思い出した。

あの日、アイツが初めて、俺に弱音を吐いた、あの時。

昔、あいつに何があったのか、知ったあの時。

アイツの背負う、重い重い過去。

ホエミー「あなたは所詮、偽善者なんですよ。九重織。」

織「やめろってば！！！！！！」

思考より先に、手が動く。

殴りかかろうとした、その時だった。

ホエミー「がっ！！」

部屋に、鈍い音が響いた。

赤い液体が、ホエミーの頭から流れる。

ホエミー「貴様....!」

織「カイ、さん。」

俺が殴るより先に、カイさんが、フライパンでホエミーの頭を殴りつけたのだ。

思わぬ人物の思わぬ行動に、思わず拍子抜けする。

カイさんとの口論をした後、初めて笑顔以外の表情をしたホエミーは、どこかへと去っていってしまった。

ホエミーが去ったその部屋は、嫌に、静かだった。

____________

『...........。』

ケイジ「____君、ユキヤ君。」

肩を揺さぶられた。
ぱっと顔をあげると、ケイジさんの顔が、視界に入る。
『え？』

ケイジ「...大丈夫？」

『え、あ、あぁ。はい。大丈夫、です。』

俺がそう答えると、ケイジさんは俺の表情を観察した後、ぽん、と肩を叩く。

ケイジ「....人が死ぬところを見たんだ。無理しなくていい。」

『いえ....初めてじゃないので。』

ケイジ「！それは、.........いや、そう、なのか。

....それじゃあ、織ちゃんの心配かい？」

『...........。』