よんごーきゅう ページ9
サラ「あ…あぁ…」
ミドリ「僕はどっちでもいけど…」
サラ「救えるの…？」
そう呟いたサラは、
同意書に、名前を書いた。
ミドリ「やったぁ…やったぁ！！
ついに書いてくれたんだね！サラ！」
サラ「いいから早く棺を開けてっ！！
ケイジさんがっ！
ケイジさんが、死んじゃうからぁ…!」
ミドリは、棺に向けてリモコンを操作した。
…しかし、何も、変わらない。
ミドリ「…あぁごめん。間に合わなかったみたいだ。」
サラ「………
………え？」
ミドリ「熱で棺の蓋がとけて癒着してる。物理的に無理だ。残念。」
頭を、何かで殴られたようなショック。
間に合わなかった？
救えなかった？
なんで。
なんで。
なんで・・・！
ソウ「ちょっと待ってよ。」
だんだんと沈みこんでいた心。
それを、彼の言葉が、引き上げた。
ソウ「ケイジさんは本当にこの中に入ってたのかな？」
ギン「…だって、棺は閉まってるにゃん。砂時計だって上に…」
ソウ「それがおかしいんだよ。
生きたまま焼かれてるんだよ？どうしてこんなに大人しいの？」
キサラギ「!!!」
確かに。
人が、焼かれていたのだ。
それなのに、中からどんどんと暴れる様子も、まして、俺たちに声をかける様子もなかった。
ソウ「…つまり、
脱出したんだよ。棺の中からね。」
キサラギ「!!!!!!」
ランマル「だったら墓地にいるはずだ！シャッターは閉まってたんだぞ！？」
ソウ「さあね。そこまでは知らないよ。
…でも不自然だ。
…嘘の香りがするんだよね。」
そう言って、笑みを浮かべるソウ。
確かな確証はない。
………だけれど。
ランマル「やめろ…!そんないいかげんな希望、持たせるんじゃねぇ…!!!」
ソウ「…なんで君が怒るの？」
ランマル「だって…!」
ソウ「…僕にはさ、ケイジが簡単に死ぬとは思えないんだ。
サラさん。
君だって、そうだろ？」
サラ「………私も。そうは、思えません。
…ケイジさんが、カンタンに死ぬとも。
……………オリが、カンタンに死なせるとも。」
ソウ「うん。僕も、そう思うよ。」
サラが立ち上がる。
サラ「…行きましょう。ケイジさんを、探しに……!!!!」
キサラギ「………かっこええな、自分。」
ソウ「…思った事を言っただけだよ。」
そうだ。ソウの言う通りだ。
諦めへん。
俺はもう・・・諦めたり、しない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 44人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
