よんごーはち ページ8
シャッターを見上げてみると、いくつものえぐい傷が着いている。
おそらく、メイプルの仕業だろう。
もしシャッターがなかったら、そう考えると末恐ろしい。
ごごご
キサラギ「うおっ！？」
サラ「よしっ…!」
突然、シャッターが開いたかと思えば、どうやらサラが開けたらしい。
…そういえば、オリが＿
『サラちゃんは気づいたら謎といちゃってるから、名探偵だから、彼女。』
…って言ってたような・・・。
…って、ちゃうねん。今はそれどころじゃない。
俺達は、部屋に足を踏み入れた。
入って先ず感じたのは、暑さ。
なんだかムワッとした暑い空気が、頬を撫でる。
そして次に感じた、違和感。
……………なんで。
どくり、と、鼓動が早くなっていくのを感じた。
…………なんで？
額から流れる汗は、暑さからか、それとも。
ギン「…ね、ねぇ、サラ姉ちゃん。
なんで棺、開いてないにゃん？」
そう。棺は開けたはず。
それなのに、今はどの棺も閉まっている。
それに、この暑さ。
まさか。
…まさか。
サラ「ケイジさんが、出た後に、閉めて行ったのかな…」
ソウ「…まさか
棺の解除が…できてなかったのか……？」
サラ「……………
…………馬鹿なこと、……いわ、ないで。
制御室で、操作したはずです…
全ての棺を開けたって……………」
ソウ「サラさんこそよく見なよ。
砂時計、棺に乗ったままだ。」
全員の視線が、それに向いた。
砂の、全て落ちきった、その、砂時計、に。
キサラギ「…っ！？」
駆り立てられた焦り。
それが、俺の足を動かす。
棺に近寄り、手を触れた。
キサラギ「あっつ！？」
サラ「なっ……!!!」
それが、一体、何を意味するのか。
わかった瞬間、俺たちの顔からは、血の気が引いていた。
キサラギ「何としてもこじ開けるんや！！早く！！」
サラ「ケイジさんっ！！！！」
全員で棺に手をかける。
熱さを感じるが、そんなのどうでもいい。
キサラギ「なんで…………………
何で開かへんのやっっっ！！！！」
ミドリ「救いが…必要かな…？」
絶望の中。
目の前が真っ暗になりかけた時、緑頭のそいつが、どこからともなく現れた。
サラ「……………………ミドリ…」
彼は薄気味悪い笑みを浮かべると、サラに一枚の紙を差し出す。
…無論、同意書と書かれた、あの紙。
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
