よんきゅうなな ページ47
ふと、一筋の光が、絶望感を貫いた。
顔を上げれば、真っ黒だった視界を、赤色が染め上げる。
『ここで立たなきゃ、本当に終わっちゃうよ。サラちゃん。』
ただまっすぐな、オリの瞳。
彼女と再開してから、彼女のそのまっすぐな瞳が気になっていた。
今までと変わらないはずなのに、何か、何かが決定的に違う。
それが何なのか、今、わかったような気がした。
ミドリ「……当て……なきゃ」
サラ「ミドリ…？」
耳に届いた聞きなれない声音に、サラははっとし、顔をモニターへと向けた。
すぐに棺を選ぶだろうと思っていたミドリ。
その口から発せられた言葉は、意外にも、動揺を含んでサラ達の耳元に届けられる。
画面を見ればいつものような笑みは、まるでない。
あるのは焦りと、動揺。
ミドリ「クソっ、どうなってるんだ…？
4番の棺には赤が出るはずだろ……！？
ケイジは脱出したんじゃないのか…!？
かわりにはあれが入ってたはずだ……!!!」
訳の分からないことをブツブツと呟きだす彼。
ひどく困惑しているのはわかるが、訳がわからないのはサラたちだって同じだ。
そんな中で、2人。
たった2人の人間だけは、笑みを浮かべる。
Q太郎「………ふん、効いとるみたいやな、最後の仕掛けが。」
『…ですね。』
サラ「Q太郎さん、オリ………何かしたのか…!？」
状況の呑み込めないでいるひとたちの中から、代表するようにオリは一歩前に出た。
同様するミドリを見つめ、そうして彼女は、挑戦的な笑みを浮かべる。
『あの棺にケイジさんが入ってると…
…本気でそう考えてるんですか、ヒヨリさん？』
ミドリ「は………？」
サラ「じゃ、じゃあ、ギンの棺だって言うのか……!!？？」
ソウ「まさか、最後の棺チェックの時間に、ギンの棺に細工を………！？」
ミドリ「そんなことありえないっ！！！」
Q太郎「なら信じた方をさっさと選べばいいぜよ！！」
ミドリ「あぅっ……………」
顔をしかめるミドリ。
ミドリにも、仲間であるサラ達にすら、何が起こっているのか分からない。
そんな仲間たちに、Q太郎は向き合った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 44人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
