よんはちきゅう ページ39
それと同時に、マイの声が聞こた。
『っ・・・！』
マイ「…ここまで、だね。」
しかし、その声はさっきのクルマダのように、諦めと、でも信頼を含んだもので。
マイ「…あと、よろしくね！」
そう、言った後。
マイは、涙を流しながら、にこりと笑った。
『・・・・・・・。』
棺を、大きなドリルが＿＿＿貫く。
アルジー「残念！ヒットしたのはマイ！」
アンズ「そんなぁ！まいちゃん！！」
ハヤサカ「うう…！マイさん…！！」
ミドリ「あっはっは！！ほらね！君は仲間を貫いた！！」
みんなが悲嘆の声を上げる中、やはりミドリは楽しそうに笑う。
その目はどこまでも黒く濁っていて、それなのに純粋に楽しむ子供のようにはしゃいでいる。
サラは、仲間を選んでしまった苦しみに耐えながら、それでも顔を上げて、声を張る。
サラ「み、みんな冷静に…！！勝負はまだついていないんです…！」
ミドリ「ついてるよ？」
サラ「なっ・・・」
ミドリ「冷静じゃないのは、君の方だよ。
ねぇオリ？」
『・・・。』
ミドリ「光る棺は、全部で何台ある？」
オリは、一回ミドリを睨みつけてから、重たい口調で答える。
『6台。うち3台はヒットずみだし、残り1台は赤いランプがついてる。もし次ランプを使えば、ランプが赤だろうが青だろうが、必然的にギン君の棺が明らかになる。』
ミドリ「ははは！よくできました！
じゃあご褒美に、オリにランプを押してもらおうかな！」
『・・・。』
ミドリ「うーん、そうだなぁ。
君が決めて。どっちを選ぶか。」
ちっと舌打ちを打つ。
・・・もしここで、青いランプがついてしまったら。
眉間に皺を寄せたまま、オリは深呼吸をした。
そして、彼女は6番の棺に向かう。
ちらりとミドリのうつるモニターを見る。
ミドリは、ニコニコと笑っている。
『・・・。』
ミドリ「そんなに僕のこと見て、もしかして僕のこと好きになっちゃった？」
『まさか。名前以外大っ嫌いですよ。』
そうして、オリはランプを押す。
『・・・・っ。』
ミドリ「・・・あはっ」
ランプは、
＿青色に、光った。
ミドリ「あはは！ギンくんを当てたみたいだね！！」
ギン「サラ姉ちゃん！ぼくは・・・ぼくは・・・！！」
青いランプの前で、オリはただそのランプを見つめて立ち尽くす。
真っ赤な瞳に青いランプを映して、瞬きひとつせず。
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
