よんはちはち ページ38
“仲間”という言葉に、サラは息を呑む。
クルマダ、ヒナコ…彼らが死んだ瞬間を思い出し、その表情にためらいが浮かぶ。
ミドリ「…ね？オリも、そう思うよね？
君は、また何にもできず仲間が死ぬなんて、いやだよね？」
『・・・。』
オリは、何も答えない。
それを肯定と受け取ったのか、ミドリはまた愉快そうに笑う。
マイ「・・・
・・・やってよ、サラちゃん。」
何も言わないオリ。
その代わりに口を開いたのは、マイだった。
オリがモニターに視線を向ける。
マイと、目が合った＿＿ような気がする。
マイは、サラに視線を向け直し、そして言葉を続けた。
マイ「選んで…！勝つために、赤の棺を…！」
Q太郎「マ、マイ・・・！」
マイ「もし私が選ばれても、恨みも後悔もしない。
こんなやつ、イカしてちゃダメなんだよ。
みんなの人生を…
幸せを…
踏み躙る悪魔…！！
お願い…！人間のギン君を救ってあげて…！！」
サラ「マイさん…」
マイの瞳から、ポロポロと涙が溢れていた。それでも、マイは強い意志を持った瞳で、声で、そう訴える。
マイ「私も…
私も、覚悟は決まってる…！！」
『・・・・
・・・・・・・うん。』
聞こえるかどうかわからない、そんな小さな返答が宙に消える。
赤い瞳には、しっかりと彼女の姿が映っている。
ハヤサカ「そうだね…！それがダミーズの意地…！！
やってくれ、私の命を、生きるもののために…！！」
サラ「ハヤサカさん…！」
キサラギ「・・・そういうこっちゃ。
俺らダミーズは、文字通り、命をかける覚悟があるで。
そんで、そっちは？」
ぎゅっと、サラは拳を握る。
そうして、しっかりとダミーズを見据えて、うなづいた。
サラ「勝ちます…！絶対に…！！！」
そうして、サラは赤いランプの灯るその棺を選ぶ。
アルジー「おお・・・！果たして正解は出るのか…！？」
ががが、と、震動する音がする。
マイ「・・・あ、」
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
