よんはちろく ページ36
キサラギ「・・・
・・・・・・ヒントでは、ヒナコは、人間ってことやけど。」
そんな困惑した場で、一人の男の大きな声が響いた。
よく通るのその声に、全員の注目が集まる。
困惑してあげられていた声も視線も、気づけばその男のモニターに向いていた。
キサラギ「でも、あいつはダミーズ、つまり、人形。
…ってことあ、考えられる可能性は二つある。一つは、ヒナコが人形だった場合。この場合、俺らの推理を見直す必要がある。でも、その前に考えるべきはもう一つの可能性や。
それは、ヒナコが人間だった場合。
・・・・困惑するのはわかる。けど、だからこそ、俺らは今順を追って”考える”べきや。
・・・・せやろ？」
そういうと、キサラギはニッと笑った。
彼のそんな態度に、オリを含め困惑していたみんなが少しの冷静さを取り戻す。
ソウ「・・・カッコつけ。」
キサラギ「うるさいなぁ。ほら、お前の得意分野やろ、頑張れ。」
ふっと笑う２人。
それに感化されたように、みんなが顔を見合わせうなづき合う。
そんな中で。
ソウ「＿＿。」
ソウは、誰にも聞こえない声で、何かを＿＿＿＿＿つぶやいた。
そこから、ヒナコについての議論が進んだ。
ギンの記憶力やサラの発想のもと、ヒナコが”人間”であったという結論にたどり着く。
Q太郎「でもそれじゃあ、マイについていた手は一体…」
ミドリ「いやー、さすがだなー。」
議論がひと段落ついたところで、ミドリが感心したと言わんばかりに声を上げた。
ミドリ「ご褒美に教えてあげる。マイさんにあげた手は、推理通り僕の生きた手さ。
でも・・・
だからってさあ・・・・
僕が手以外も上げてないとは・・・・」
ミドリが、斜め前に視線を向けた。
＿＿＿のだと、そう思った時だった。
『っ…！？』
ミドリの首は、グリンとうしろを向き。
ミドリ「限らないよねぇー！！」
そうして、なんとも気味の悪いことに、くるくると回転し始めたのだ。
流石の気持ち悪さに、全員が顔をしかめては心底気味が悪いという表情を隠そうともしない。
Q太郎「きさん、確実に人間じゃねえぜよ！！」
ミドリ「えへへー、人間やめちゃいましたー！！」
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
