よんはちさん ページ33
『っくっそ………!!!!』
結局、ギンとミドリの棺を判別する方法は分からずじまい。
これ程時間をかけて討論したのに、何も、変わらないのだ。
しかし、選ばない訳には行かない。
ミドリを当てて勝たなければ、ギンの命が危ないのだ。
震えるサラの手。
そして彼女は、1つの棺を選択した。
アルジー「おお！果たして正解は出るのか…!」
ギュイン
そんな音が、聞こえた気がした、その直後。
クルマダ「……………あ？」
画面越しのクルマダが、眉をひそめた。
キサラギ「…クルマダ？」
クル「な、なんだぁ？床から……」
クルマダはそこまで言うと、何かを察したかのように言葉を切る。
キサラギ「おい、どないした？なぁ!」
クルマダ「キサラギ。」
遮られるキサラギの言葉。
モニターごしに、クルマダはふっと笑う。
クルマダ「"信じてる"ぜ。」
キサラギ「は…」
クルマダ「………………あと、よろしく頼むわ。」
キサラギ「なんっ………おい待て、クルマ＿＿＿＿！！！」
その言葉を最期に。
サラの選択した棺は、巨大なドリルによって………
＿ぐしゃり。
……貫かれた。
キサラギ「っ……………!!!」
キサラギの息を飲む声が聞こえる。
その代わりに、クルマダの声が聞こえていたモニターからは何も聞こえない。
キサラギ「っ、くっそが………!!!!!」
『……………。』
ぎゅっと唇をかんで、
眉間にしわを寄せて、
真っ赤な瞳で、その棺を見つめるオリ。
・・・握りしめたこぶしが、痛くて、たまらない。
でも。
それ以上に。
心が、痛くて痛くて………
＿痛くて、たまらない。
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
