〈remake〉キミガシネ？嫌に決まっとるやん。１０ (ページ25)

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よんななごページ25

その中央、スポットライトが当たったその場所に、誰かが座っている。
まるで、待っていたと言わんばかりに座ってこちらを見据えている男に、サラ達は一瞬足を止め、そして誰もが警戒の色を見せた。

全身に包帯を巻いた、黒スーツの男。どこかで、見覚えがあるような気がしないでもない。
全員の警戒などお構いなしに男は立ち上がり、そうして嬉しそうな声を上げた。

「よお！待ちくたびれたぜ！」

サラ「ッ！？……み、みんなは！？棺の中のみんなはどこだ！！」

サラがそう問えば、その男は今度は残念そうに声を上げる。

…もっとも、包帯でその表情は見えないのだが。

「なんだよぉ、挨拶もなしかぁ…？無事無事、すぐに会えるよ。

おっと申し遅れた。宴の進行をつとめるアルジーだ。

これからお前らには挑戦者を1人選んで貰うぜ。」

『挑戦者…？』

ギン「何をさせるつもりにゃん！」

アルジー「おっと、そいつはまだ言えねぇ。ゲーム名はロシアンルーレット…挑戦者同士の運試しだよ。」

ぱっと、アルジーと名乗った彼の斜め後ろが、照らし出される。

アルジー「紹介しよう、もう1人の挑戦者の

ミドリ〜〜！！」

照らし出されたのは、紛れもない。

ミドリだった。

ミドリ「あはは、どっちが先に棺を選ぶ？」

また新たに照らし出された、ふたつの棺。

サラ「先って…？」

アルジー「これさ。挑戦者には棺に入ってもらう。」

Q太郎「また棺かじゃ……!」

アルジー「なぁに、墓地にあったのと同じだ。罠じゃねえ。しかも、未使用品の新品！！お客さんついてるよ！」

Q太郎とレコが念入りに棺に調べてる間、言われたとおり、棺を選んだ。
選ばなかった方の棺に入っていったミドリは、照明から外され、見えなくなってしまう。

アルジー「さぁ、あとは挑戦者を決めてくれ。じっくり考えてくれていいぜ。…ダミーズの電池が切れない程度に、な。」

ソウ「…どうしようか、挑戦者が危険なのには変わりないだろうし…。」

そう言いつつ、ソウはちらりとオリを見た。
真っ先に自分が行くと言い出すかと思っていた彼女は、難しい顔をして何かを考えているようだ。

オリはオリでみんなの顔をちらりと見る。そうしてまた難しい顔をし、そしてついに、何かを決意した表情をする。

『じゃあ、わ＿』

その言葉とともに、オリが手を挙げようとしたその時。

その手は、小さな手によって止められた。