よんななよん ページ24
Q太郎「それじゃ、始めるぜよ。」
長くも短い休憩時間が終わり。
Q太郎の言葉に、みんなが息を飲む。
いよいよ、宴が始まる。
Q太郎「みんなわかってると思うが、俺たちはこれから8つの棺に入るやつを選ばなきゃなんねぇ。
生きていようが死んでいようが関係ねぇ。生存者かダミーズ、誰かが入るんだ。」
みんなが、黙って顔を見合わせる。
そんな中、同様に顔を見合わせた男二人は、ふっと笑うと、率先して声を上げる。
クルマダ「…ダミーズが入るでいいだろ。」
アンズ「ちょ、勝手に決めないでよぉ！」
キサラギ「俺もクルマダにさんせー。」
ヒナコ「ま、いいんじゃない？入るくらい。」
そんなことを口々に言いながら、ダミーズはそれぞれの棺に向かう。
キサラギも自分の棺に向かい、近くにいたオリに声をかけた。
キサラギ「棺、閉めてくれへん？」
特に深い意味があるわけでもなく、ただちょうどいいところにいたから声をかけただけだったのだが、オリはほんの一瞬だけ動きを止め、しかしすぐいつもの調子で返事をする。
『あぁ、いいですよ。』
彼女の態度に一瞬違和感を感じつつも、それほど妙だったわけではない。いきなり声をかけられて驚いたんだろう程度にしか思わなかったキサラギは、自分の体を棺の中へとおさめる。
キサラギ「棺、寝心地悪いんよなぁ。」
『確かに痛そうですよねぇ。まぁまぁ、安心してくださいよキサラギさん。終わったら、また開けたげますって。』
キサラギ「おう、頼むでほんま。」
視線を合わせ、２人はにやっと笑えば、グータッチを交わす。
バタン。
全ての棺が閉じる。
ギン「あとは…」
ギンが、ケイジが入っていたであろう棺を見て言った。
サラもそれを理解し、再び開けようと試みるが、やはりビクともしない。
ギン「こじ開ける方法を探さないといけないにゃん。」
サラ「あぁ…」
ソウ「…でもさ、宴が始まらないってことは、この中は空っぽなんじゃない？」
ギン「それじゃあ！やっぱりおまわりさんは脱出してたにゃん！」
ソウ「けど、おかげで誰が棺に入るのかを話し合う必要が………」
がちゃん
響く、機械音。
下へ、下へと、
棺が地面の下へ沈んでいく。
『！！とにかく門へ！早く！』
急いで部屋を出て、門の中に駆け込んだ。
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
