〈remake〉キミガシネ？嫌に決まっとるやん。１０ (ページ21)

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よんなないちページ21

ソウ「………そうでもないさ。」

笑みを繕うミドリ。

そんな彼の言葉を、そうが否定する。

ソウ「君は今…怯えてたんだよ。
メイプルの決死の攻撃に。

死ぬ事への恐怖…弱みを見せたんだ。」
ミドリ「……意味不明だ。それがわかって、何が変わる？付け入る隙があるならやってみればいい。

君たちには、宴しか残されていないんだ。」

其れだけ言い残すと、ミドリはその場から去って行ってしまった。

見えなくなったミドリの背中。

ずっと張っていた緊張の糸が、やっと少し、緩んだ。

Q太郎「やっと最終手段、って感じやな。」

ギン「…おまわりさんは？」

ソウ「…探している時間はないよ。」

Q太郎「…………サラ、準備が出来たら声をかけろ。

……恐らく、これが最後の、休憩の時間になるがや。」

_____________

『…おいしょと。』

地面に倒れたメイプルを、オリは壁にもたれかけさせた。
各々が棺に座ったり仲間と会話を交わす中、オリはメイプルの前にしゃがみ、乱れた衣服を直している。

『ひどい奴だよねぇ。メイプルには、もっとお似合いの人がいるよ。』

スカートのすそを伸ばした彼女は、最後にぽんぽんと優しくたたいた。

『絶対仇、とってくるよ。』

ソウ「いって。」

そんな彼女の背後で、そんな間抜けな声がする。
オリが後ろを振り返れば、背中をさすっているソウさんと、その横で呆れた表情をしているキサラギがいた。

ソウは恨めしそうにキサラギを睨んでいる。

キサラギ「なんや、背中を押してやったのにその顔は。」

ソウ「押し方にももっといろいろあるだろ…。」

キサラギ「これがいっちゃん効果あるねん。」

やいのやいのとやり取りをする二人。オリは立ち上がり、そんな賑やかな二人のもとに近づいてゆく。

『ソウさんとキサラギさん、いつの間にそんな仲良くなったの？』

ソウ「仲良くなってない。」

キサラギ「そんなん出会ったときからに決まっとるやん。」

ソウ「仲良くなってない！」

抗議するソウの肩に手を回し、キサラギは心底楽しそうにケラケラと笑う。
そんな彼の様子にソウはますますやるせない表情をして抗議するが、自分の肩に回された手を振り払おうとはしなかった。