よんななまる ページ20
メイプル「シノウ、ヒヨリくん。」
ミドリ「…1人で死になよ。僕はいい。」
じりっと一歩後ずさりするミドリ。
しかし、そんなのお構いなしとメイプルがミドリに攻撃を与える。
ミドリ「っ！！」
Q太郎「反抗するわけねぇって、たかをくくってたか？
きさんは殺されるぜよ！助けるやつは一人もいねぇ！！」
ミドリ「！！
……いいのかなダミーズ。僕が死ねば君たちの首輪は……」
クルマダ「…仕方ねえよ。どうせ止められねぇしな。」
また、顔を歪めるミドリ。
メイプル「ヒヨリくん、モウ、カンネンシテ…」
ミドリ「う………
やめてよ、メイプル。」
メイプル「サヨナラ…」
銀の腕を持ち上げるメイプル。
しかし、ミドリの一言で、その腕が止まる。
ミドリ「……好きだよ、メイプル。
僕は、愛してるんだ。」
メイプル「…!!」
今まで続いて攻撃が止む。
メイプルのその様子に、今まで額に汗を流していたミドリがふっとほおを緩めるのが見える。
…しかし、メイプルの背後に視線をやった彼は、再びその表情をゆがめさせた。
ぽん、と、メイプルの背中…であろう部分に手が置かれる。
そして、彼女の止まった足を再び動かすように、その手は彼女の背中を押した。
メイプル「え・・・・」
ミドリ「外野は首を突っ込むなよ！」
イラついた様子で怒鳴るミドリ。
しかし、そんなのお構いなしと、メイプルの背後からメイプルへ声が届く。
『メイプル。…メイプルにも、幸せになる権利はちゃんとあるんだよ。』
メイプル「オリ…………。」
背中を押され、メイプルは、再びその歩みを進める。
メイプル「……………ソウ、だネ。
モウ、ダマサレナイ。
イッショニ…!!!!!!」
ビリッ
そんな、電気音。
…あと、1歩のところだったのに。
バンッ！！！！
メイプルの限界は、とっくに超えていた。
彼女は、爆発音とともに、その破片を飛ばして、壊れてしまったのだった。
ミドリ「………
…………は、はは。
あと少しだったけど、残念だったね。」
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
