よんろくなな ページ17
ミドリ「桜小路ユキヤ。彼も、君にとっては大事な人だよね？
ふふふ、彼が一体何を望んだのか、教えてあげ＿」
『聞きました。』
ミドリの言葉を、オリが遮る。
ミドリの動きが、ぴしっと止まる。
オリは、そんなミドリに向けてまっすぐと視線を向けた。
『ほんとに、貴方とあの人はやること一緒ですよね。』
ミドリ「…会ったの？」
『…じゃなきゃ、わからないでしょ。
聞いたうえで、私はあなたを蹴りました。』
ミドリ「・・・・
・・・・・・・・あっそ。もういいよ。もう、君に興味がなくなった。」
ミドリがそう言ったその時、入口の方から何かが飛んできた。
あまりに急で、オリは”それ”と一緒に地面に倒れ込む。
ランマル「っぐ………」
『ランマル君…!？』
ミドリ「くだらない事を考えてるよ、そいつも。」
そういえば、ミドリはランマルからIDカードを取りあげた。
ランマル「返せ！」
『な、んで君がIDカードを…』
ミドリ「そりゃぁ…サラさんを気絶させた犯人だもん。」
『は…』
ランマルは、バツが悪そうに俯く。
そして、ポツポツと語り出した。
自分に、ジョー君のAIを入れようとした、と。
ミドリ「ハイハイ、もうおしゃべりはおしまいだよ。
入っておいで！生まれ変わったメイプルちゃんだぞー！！」
『っ…ランマル君、早く立って！！』
ランマル「っ！！」
入口の向こう。
金属のぶつかる音。
ランマル君の手を引いて、急いで入口から離れれば、”メイプル”はすぐ、姿を現した。
『これはっ…………!!』
メイプルは、もう、以前の女の子の姿ではなく、
いくつもの画面と金属を伸ばした、変わり果てた姿をしていた。
悲しむAI「逃げて…みんな…………」
ミドリ「あはは！！強そうなAIを詰め込んだよ！！」
『メイプル…!』
ギン「こんなのどうしたらいいにゃん！！！」
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
