〈remake〉キミガシネ？嫌に決まっとるやん。１０ (ページ16)

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よんろくろくページ16

ミドリ「そうしてオリ！！君が僕に何を与えたか、君はちゃんと、思い出してくれたよね？？」

ぐわんっと、体ごとオリに向ければ、ミドリは一歩、また一歩と、オリに向けて足を踏み出す。

ミドリ「家族が欲しいと泣くキミに、僕が家族を与えてあげたこと。

その家族のもとで、僕が君に教えてきたこと！！

君は弱くて、どうしようもない役立たずだってことをさ！！」

間近に迫る、ミドリの顔。
互いの瞳に互いの顔が映る。

記憶を操作されたと、ひどく怯えていたオリ。
ミドリと顔を合わせる度、緊張を見せていたオリ。

その場の誰もがオリをミドリから守るために、足を動かそうとした。

…が、それよりも、早く。

ミドリ「！？」

オリが、自身の膝をミドリの腹目掛け＿突き上げた。

予想外のことに一瞬反応が遅れるも、すんでのところでミドリはその膝を手で受け止める。
ミドリが驚くのもつかの間。膝を受け止められたオリは素早くその膝を引き、すぐさまその足で彼の横っ腹めがけて今度は右から左へけりを入れる。

流石にそれは受け止められないと判断したのか、ミドリは後ろへバッと退いてその蹴りをかわした。

蹴りをかわされた彼女は、特に悔しがる様子もなく、空を切った足を降ろしてミドリに視線を向ける。
最初の笑みはどこに言ったのか、ミドリは感情の読み取れない、でも決して面白そうではない顔をして、オリを見た。

『”ヒヨリさん”こそちゃんと思い出してくださいよ。』

”ヒヨリさん”という言葉に、ミドリの眉がぴくっと動いた。

『アンタらが、私の親友を殺したんだって。』

ひどく冷たい声。
ひどく軽蔑した声。

ひどく人間らしい声。

『あんた達だけは絶対、許さない。』

ミドリ「・・・・・・・あーあ。」

ミドリは、そんな顔のオリに、ひどく落胆した声を漏らす。

ミドリ「あの時の君に戻らないためにその時の記憶を消したのに、よりにもよって、その記憶を思い出しちゃったんだ。

・・・あーあ。彼女を思い出すだけで、君ってほんと、つまらなくなるよね。」

『それぐらい、私にとっては大事な人なんだよ。アンタには一生わかんないでしょうけど。』

ミドリ「・・・ほんとつまんない。

あぁ、でも、これはどうかな？」

ミドリが、ふいにニッと笑う。