よんろくいち ページ11
実験台、扉、ドリンクサーバー………
しかし、マイの姿はない。
ヒナコ「これホット専用じゃん！」
と、ヒナコがドリンクサーバーの前に立ち、珍しくテンションの上がった声を発した。
ランマル「何テンション上がってんだよ…」
ほんとな…。
ソウ「充電機能は無いみたいだね…
逆に言えば、飲んでも誰にも迷惑はかからないけど…
こんな怪しいの、飲む人いるかな？」
サラ「ソウさん……私は、お味噌汁を飲みます。
……いらないんですね？」
ソウ「………そんなの、あるの………？
………
…ないじゃないか！騙したなサラ…!
…僕はコーンポタージュを選ぶよ。君はお湯でも飲んでなよ、サラ。」
キサラギ「いや飲むんかいっ！……って言うか、なんやこの茶番。」
その後、その部屋を探索してみるも、マイの姿はない。
扉も開かず、俺達は、止むおえず再び別のところを探索することになった。
キサラギ「にしても、未だ姿はなく……やな。」
ソウ「….はぁ。また無理してなきゃいいけど………。」
美術室に行った時、ロッカールームに行く前に寄った時点ではあったはずのメイプルの姿が無くなっていた。
焦ってエレベーターの所に行って見れば、ミドリがメイプルを治すだのなんだのと言う始末。
彼を止めるべく再びロッカールームに戻れば、向こうからは笑い声と工具の音。
そんな、焦るばかりの俺たちの耳に、放送の声が届いた。
その声は、俺達が探していた人物。
ケイジ。
IDカードをもって、サラちゃん1人で教室に来いとのこと。
あまりに怪しすぎるが、行かない訳にも行かない。
どこからか戻ってきたマイにIDカードを手渡され、無理やりエレベーターまで向かわされるも、サラちゃんが1人で教室に向かってしまった。
後を追うべく、急いでもう片方のエレベーターに乗り込んだ俺たち。
…そして、今に至るわけである。
キサラギ「…ほんとに、無事やとええけど。」
ソウ「…とりあえず、今は進むしかない、か。」
不安も抱えつつ、エレベーターが着くのを待つ。
妙に長く感じる。
なんだか、胸がざわつく。
キサラギ「……っはぁ…。」
柄にもなく、緊張してるらしい。
チーン
間の抜けるベル音。
エレベーターが着いたのだ。
開くと同時に、俺達は教室へと駆け出す。
そして、着いた頃。
教室には、倒れたサラだけが、そこにいた。
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
