よんごーに ページ2
ソウ「…ははは。オリの隣には、ユキヤがいたんだよ？
オリが彼を恋愛的に好きだったかまではわからないけど…どっちにしろ、僕が彼を超えるとは思えないよ。
・・・僕は、僕の余計な感情のせいで、オリをこれ以上悩ませたくないんだ。
ユキヤもカンナもいなくなった今、オリが、安心してたよれる存在でいたいんだよ。」
キサラギ「・・・なるほどな。」
あぁ、なんとなくわかった。
ソウも、オリも。
2人とも、優しすぎるのだ。
2人とも、お互いが、大切すぎるのだ。
・・・だからこそ、お互いが一番望む言葉を、お互い隠しているのだ。
キサラギ「・・・・はぁ〜、お前らこじらせとんなぁ…。」
ソウ「こじっ・・・！？
う、うるさいな…。」
こじらせている自覚はあるらしい。
若干語尾が小さくなるソウ。
キサラギ「…はぁ。」
会ってから、長い時間を、共にしたわけでもないのに。
・・・それなのに、どうして俺は、ほっとけないんやろか。
どうにか、ソウの背中を押してやりたくて。
こいつとあいつの2人に、幸せになってほしいとか、思ってしまって。
・・・だから俺は、物理的に、ソウの背中を押すことにした。
ソウ「いった…！？キサラギ、お前何す＿」
キサラギ「お前がほんとの気持ち伝えへん理由は、わかった。
・・・せやけど、今は無理でも、必ずいつか、あいつに伝えてや。
ええか？絶対や。生きてるうちに、絶対アイツに伝えろ。
・・・お前のその感情が、あいつに迷惑なものだなんて、決めつけんな。」
ソウ「！・・・。」
黙るソウ。
・・・そして彼は、無言で俺の背中をたたき返した。
キサラギ「いった・・・！」
ソウ「…なんでちょっとうれしそうにしてるんだよ。」
キサラギ「いや…だって今のは、イエスのいみやったんやろ？」
ソウ「・・・・・・。」
キサラギ｢んはは、わっかりやすいなぁソウ。そういうとこすきやで。」
ソウ「気色悪いこと言わないでもらっていい？」
んははー、と笑えば、ぎろっとソウに睨まれた。
キサラギ「…さってと。にしたって、どーしよか。エレベーター動かすちゅぅてもなぁ…。」
ソウ「さっきからそれを考えてるんじゃないか。……はぁ、まぁ、考えたところでって感じだけどね。
…やっぱり、オリみたいに、動くしかないか。」
キサラギ「せやな。現場100ぺんってゆーしな。」
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2023年11月2日 22時
