１年前（過去編） ページ7
＿ごめんユキヤ、家にお財布忘れちゃったみたいで…。届けに来てくれない？
ミンミンと遠くで聞こえる鳴き声。
頬を伝る汗。
午前中の部活を終え、家で一人用の昼飯を準備していた俺のもとに、そんな電話がかかってきた。
卵をゆでていたコンロの火を止める。
『何やってんだよ…。』
＿アハハ…、ごめんごめん。お昼おごるからさ。
『しょうがねえな…。』
めんどくさくはあるが、姉のバイト先のラーメン屋は純粋にうまい。
夏でも食いたくなるぐらいには、うめぇ。
ショルダーバックをかけながら、リビングの机に置きっぱなしになっていた姉の財布を手に取った。
なにラーメン頼も。
＿＿＿＿＿＿
姉は週5でバイトしているラーメン屋は、知る人が知るうまい店である。
客が多いわけじゃないが、通の常連さんが多い。
俺も初めてあの店に行ったときはうますぎて大盛3分で完食したぐらいだ。
学校からはまぁまぁ近いし、味はうまいし、
だから、めんどくさいとは思いつつもうまい昼飯を食べられることを楽しみにしていた。
………だと、いうのに。
『なんでお前がここにいんだよっ…！！』
織「こっちのセリフな？」
ずずずっ、と、何の遠慮もなく俺の眼の前でラーメンをすする、この女。
九重織が、そこにいた。
モミジ「あれ、織ちゃんとユキヤって知り合いだったの？」
奥の調理場から顔を出した姉さんが、そう言いながらも九重に替え玉を渡す。
「え？モミジさんと桜小路くんって知り合いなんですか？」と驚いたを表情をしつつ替え玉を受け取る九重。
俺からしたら、そっちこそどういう関係なんだって感じだ。
聞きたいことしかないが、部活終わりなのに何も食べずここに来たため流石に腹が減った。
今回ばかりは、好奇心よりも食欲が勝った。
『はい財布。醤油ラーメンな。』
モミジ「わぁありがとう！帰れなくなるとこだったぁ。
醤油ね、ちょっと待ってて。」
財布を受け取り、いつものような天真爛漫の笑顔を振りまいてらんらんと醤油ラーメンを作り始める姉さん。
店内は狭くカウンター席しかないので、九重からは４つ離れた席に腰かける。
織「財布…？帰る…？え、もしかしてお前とモミジさんてそういう関係…？」
『ちげぇよばか。姉弟だよ。』
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レイ - 久しぶりに来てまとめて読んだ…大号泣 (6月17日 23時) (
レス) @page41 id: 818b5c433d (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗｲﾔ(プロフ) - みょんさん» ありがとうございます……！！！わぁぁ、そう言って頂けるとめちゃんこ嬉しいっす…これからも更新頑張ります！ (2023年3月7日 12時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - ユキヤくんの過去が可哀想すぎる…でもすごく面白いです。感無量です…。ワクワク、ドキドキしながら読ませて頂いてます！更新楽しみに待っています！頑張ってください！ (2023年3月5日 19時) (レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
ｸﾗｲﾔ(プロフ) - ハンカチモンスターさん» ありがとうございます！！！待っとってくださーい！ (2023年1月25日 10時) (レス) id: 2c9f59a9da (このIDを非表示/違反報告)
ハンカチモンスター(プロフ) - え、めちゃくちゃ気になります！更新待ってます！ (2023年1月24日 19時) (レス) id: dd4a83489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2022年5月5日 15時
