Lxxxvi ページ47
霜月君のアパート近くに着く。
…と。
『うわ危なっ………』
裏路地にバイクを止めたのだが、そのすぐ横を数台パトカーが通り過ぎて行った。
霜月君のアパートから遠ざかっていくということは、一歩遅かったのかもしれない。
さて、どうする。
これからどうする。
焦る心を必死で落ち着かせようとしながら、必死に頭を回す。
…いや、なんだよ焦るって。
別に焦る必要なんてないじゃないか。この隙に、どこか遠いとこに逃げてしまえばいい。
自分の身を危険に晒してまで、彼を助けることになんのメリットがある。
今までだって、そうしてきたじゃないか。
そうやって、裏切ったじゃないか。
そうだ、逃げてしまおう。この隙に、今のうちに___
_本当にそう、思ってる?
『………………っ、
あーもう、くそっ……………』
バイクにまたがる。
ちっと舌打ちをうつ。
まだそう遠くには行っていないはずだ。
今から追えば、まだ間に合う。
エンジン音を鳴らす。
私は、さっきパトカーが行った方向にバイクを走らせたのだった。
______
『…ここは……?』
行き着いた先は、雑居ビル。
また裏路地にバイクを停め、警察が去っていくのを見送る。
さぁて、いよいよどうしようか。
来たはいいがノープランだ。
というかそもそも入れんのかなあのビル。
…もういっそ、バイクで突っ込んだ方が早いんじゃないか…?
そんなバカみたいな考えが浮かんでは、いやいやいや…とその考えを否定する。
しかしやっぱりそれしかないんじゃ…?なんてバカになりさがりかけた時、視界の端に2人の人影が動いたのだった。
『…?』
目を凝らしてよく見てみる。
服装とかは遠いし暗いしでよく分からないが、人影は、雑居ビルのドアの前で何やらガチャガチャとやっているらしい。
そしてその後、中に入っていく2人。
警察がいったあと入ってったって事は、もしかして警察じゃない奴らなのだろうか。
とはいえ、誰かわからない以上霜月君を助けに来たとも限らないし。
『そもそも、ここに来てる時点でガラじゃないんだって………。』
誰に言った訳でもない独り言を呟きながら、私は、彼らが開けてくれたらしいドアを通り、雑居ビルに足を踏み入れた。
81人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クライヤ(プロフ) - 白井ゆりさん» そう言っていただけると嬉しいです!!これからも続き更新してきますので楽しみにしててください!! (2022年3月23日 6時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
白井ゆり - かなり続きが気になります‼︎ 続き書くの頑張ってください‼︎ 待ってます‼︎ (2022年3月23日 1時) (レス) @page36 id: fb320e0723 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - なかねこさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!喜んでいただけているようで嬉しい限りです!!!!これからも更新頑張っていきます!! (2022年3月20日 11時) (レス) @page19 id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
なかねこ - 続編ありがとうございます!占ツクログインしよっかな...ログインしたら間違いなく一番にお気に入り作者に入れます!!!!いつも面白い作品ありがとうございます!応援してます! (2022年3月19日 18時) (レス) @page11 id: c7c3a69365 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - 青いGさん» ありがとうございます!!!そう言って頂けると嬉しいです!!いつも読んでくださり感謝の極みです!!!これからも更新頑張ります!!! (2022年3月19日 10時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クライヤ | 作成日時:2022年3月19日 4時