羊というよりヤギですね2

エピローグ ページ37

倒れた彼女に、銃口を向けた。




殺しに、平気で加担していた。


自分が生きるために、他人を犠牲にしようとしていた。



例え、あの事件に無関係だったとしても、その行為を見過ごすことなんてできない。







ミサキ「…………………。」






この引き金を引けば、彼女は死ぬだろう。




今度こそ、フェイクではなく、本当に私が殺し、彼女が死ぬだろう。






ミサキ「………………………。」









＿きっと被害者であるお前たちは、苦しい経験をしたんだろう。









引き金を引こうとしたその時。


監視カメラの映像から、そんな声が聞こえてきた。


この声は、新村コウ。







＿自分の復讐を果たすためなら、人を殺せる。

…矛盾してるんじゃないのか？




ミサキ「っ………」






＿身勝手な奴らを、復讐するつもりだったんだろ？

お前は今、その身勝手なヤツらと何が違う？




きっと、リンタロウに向けて放っている言葉なのだろう。


それなのに、自分の胸に、その一言一言がつきささる。








＿…勘違いするなよ。お前だけが、辛い経験をしてきただけじゃない。








ミサキ「…………………………。」







＿死んだんだ。家族の1人が、火に焼かれて。



＿お母さんが、悲しむからっ…！！











ミサキ「…………………。」








手に持っていたそれを、




彼女に向けていたそれを、











私は、降ろした。










画面の向こうで、銃声が鳴る。











ミサキ「……君を、信じてみようかな。





気分が悪くなった私にいつも声をかけてくれてた君を、信じてみようかな。








……………君が、変われるって、信じてみよう……………かな。」












同じ、お姉ちゃんとして…さ。













寝ている彼女を、壁にもたれさせる。











…さぁ、行こう。










リンタロウと、ユキナリくんの元へ。



















……………To Be Continued

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