Lvii ページ16
ミサキ「ツヅミちゃん。」
あの後、教室でくらい水槽の中を眺めていると、ミサキちゃんに声をかけられた。
彼女の手には、ティーカップが2つ握られている。
『どうかしたかい?』
ミサキ「その、実はさっきの血の着いた服を見て少し気がまいってしもて…
だから、前みたいにお話出来たらなって思ったんやけど…ええかな?」
『…。』
『あぁ、もちろんだよ。自分で良ければね。』
ニコリと笑いかければ、ミサキちゃんは安心したような笑みを見せた。
純粋で、無垢な笑顔だった。
ミサキ「いっつも付き合わせちゃってるから、お茶を持ってきててな?ツヅミちゃんも気に入ってくれるとええんやけど………わっ!?」
ニコニコとお茶の説明をしだすミサキちゃん。
お茶の入ったそのティーカップを自分に差し出そうとした時、彼女の手からティーカップが滑り落ちそうになる。
びしゃり
慌ててティーカップを掴む彼女。…だが、しかし、中身のお茶はそうもいかず、そのままこちらに向かってこぼれ、自分の袖にかかってしまう。
ミサキ「わっ、ご、ごめん!!!熱くない!?」
『大丈夫大丈夫、それより悪いね、お茶が台無しに…』
あぁ、ドジだなぁ。そんな和やかな雰囲気が流れていた。
………………はず、だった。
言葉の途中で、腕を掴まれる。
彼女を見るが早いか、ミサキちゃんにお茶のかかった袖をめくられた。
その瞬間、あらわになる、自分の左腕。
そこには、大きな傷跡がいまだ消えることなく跡となって残っている。
『っ!!』
ばっ、と、彼女の手を振り払い袖を戻した。
焦ったように腕を後ろへ隠せば、何かを確信したような表情をしたミサキちゃんが、じっとこちらを見据える。
普段のおっとりした雰囲気も、オドオドした雰囲気も、どこにもない。
ミサキ「……………やっぱり、そうだったんだね。」
『…どういう、意______』
言葉は、最後まで紡がれることは無かった。
シューッ!!!
『っ!?』
なにかを顔に吹き付けられる。
その瞬間襲う、視界の歪み、酷い眠気。
催眠ガスだ。
『っ…………、』
がくり、と力なく地面に倒れ込む。
起き上がろうにも、どうも力が入らない。
…………そうして。
無表情なミサキちゃんを視界に入れたのを最後に、ぷつり、と、意識を手放した。
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クライヤ(プロフ) - 白井ゆりさん» そう言っていただけると嬉しいです!!これからも続き更新してきますので楽しみにしててください!! (2022年3月23日 6時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
白井ゆり - かなり続きが気になります‼︎ 続き書くの頑張ってください‼︎ 待ってます‼︎ (2022年3月23日 1時) (レス) @page36 id: fb320e0723 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - なかねこさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!喜んでいただけているようで嬉しい限りです!!!!これからも更新頑張っていきます!! (2022年3月20日 11時) (レス) @page19 id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
なかねこ - 続編ありがとうございます!占ツクログインしよっかな...ログインしたら間違いなく一番にお気に入り作者に入れます!!!!いつも面白い作品ありがとうございます!応援してます! (2022年3月19日 18時) (レス) @page11 id: c7c3a69365 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - 青いGさん» ありがとうございます!!!そう言って頂けると嬉しいです!!いつも読んでくださり感謝の極みです!!!これからも更新頑張ります!!! (2022年3月19日 10時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クライヤ | 作成日時:2022年3月19日 4時