Lv ページ14
『何読んでるんだい?』
ユキナリ「わあっ、び、びっくりした。」
主に新村君や霜月君が積極的に箱の謎をとこうとしている中、棚の本を手に取った霜月君の横からひょっこりとその手元を覗いた。
脅かしたつもりはなかったけれど、距離の近さからか、仰け反る霜月君。ま、彼も健全な男の子ということか。
ユキナリ「日記帳みたいだよ。…読む?」
『あぁ。ありがとう。』
霜月君から受け取った日記帳を早速開いてみると、そこには、優しい字で家族の様々が綴られていた。
おそらく4人家族なのだろうが、この数ページだけでとても家族仲が良いのだろうことが伝わってくる。
4人家族、か。
コウ「そんなにひどい内容が書いてあるのか?」
うわぁびっくりした。
いつの間に隣にいたんだこの男。今ならさっきの霜月君の気持ちがよく分かるよ。
コウ「………なんだ、なんの変哲もないじゃないか。」
『別にひどい内容だとは言ってないだろう。…って、聞いてるかい?』
つくづく、マイペースな男だな。人に話しかけておいて勝手に日記を読みだすし。
はぁ、とため息をついて、別のところを調べに行こうとする。
大して大きな部屋でもない。すぐにヒントになりそうなものが見つかるだろう。
…ま、見つからなくとも個人的には構わないのだけれど。
しかし、そんなことを考えていた自分の足を、新村君の言葉が止めた。
コウ「死んだ姉妹とやらでも、思い出してたのか。」
『…。』
振り返る。
彼は依然として、日記帳を読み進めてるらしい。
『……君は、人の家庭事情にズケズケと入ってくるね。』
コウ「別に俺から聞いてるわけじゃない。質問の答えが偶然お前の家庭事情に関するものだったってだけだ。」
『じゃあ今の質問はどうなるのかな。』
コウ「推理を確かめただけだ。それ以上でも以下でもない。」
『なるほど。心底不快だよ。』
新村君が振り返る。
にこりと、変わらぬ笑みを向けた。
『…ところで、そのページ、なにか挟まってないかい?』
コウ「ん?…本当だ、これは…」
紙の切れ端のようだ。子供が書いたような女性が、手を広げている。
ユキナリ「あ、それ見せてくれない?」
と、霜月君が帰ってきた。彼の手には、似たような切れ端が何枚かある。この短時間でよく働くなぁ。働きアリのようだ。
日記帳に挟まっていた絵を確認した霜月君は、メリーが持ってきた箱に数字を入力しだす。
かちゃり、と音を立て、箱は開いた。
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クライヤ(プロフ) - 白井ゆりさん» そう言っていただけると嬉しいです!!これからも続き更新してきますので楽しみにしててください!! (2022年3月23日 6時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
白井ゆり - かなり続きが気になります‼︎ 続き書くの頑張ってください‼︎ 待ってます‼︎ (2022年3月23日 1時) (レス) @page36 id: fb320e0723 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - なかねこさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!喜んでいただけているようで嬉しい限りです!!!!これからも更新頑張っていきます!! (2022年3月20日 11時) (レス) @page19 id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
なかねこ - 続編ありがとうございます!占ツクログインしよっかな...ログインしたら間違いなく一番にお気に入り作者に入れます!!!!いつも面白い作品ありがとうございます!応援してます! (2022年3月19日 18時) (レス) @page11 id: c7c3a69365 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - 青いGさん» ありがとうございます!!!そう言って頂けると嬉しいです!!いつも読んでくださり感謝の極みです!!!これからも更新頑張ります!!! (2022年3月19日 10時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クライヤ | 作成日時:2022年3月19日 4時