羊というよりヤギですね2

Lxxiv ページ33

『…確かにツヅミがした事は正しいとは言えない。



……けど、



だけど！




あの事件に向き合おうとしてたあの子だけが犠牲になって、他の人はへらへら生きてるなんて、


そんなの絶対許せない。




…………それに、帰らなきゃ。





母さんが、心配してるから。






……………だから私は、生きて、ここから帰らなきゃいけない。




ミサキちゃんが私を殺すつもりなら、生きて返すつもりがないなら、






私は貴方を殺してでも生きて帰る。








他人を犠牲にしてでも、私は、生きたい。』







ミナはそう言うと、服の内のポケットから、黒く光る物を取り出し、ミサキに向ける。





『…もし、復讐のチャンスがあった時のためにって、頑張って入手したんだよ。


良かった、ずぅっと持ってて。』









間違いない。拳銃だ。



















ミサキは、チラリと防犯カメラの映像を見る。












丁度、神木リツが処刑されたところだ。








『なんのために狸寝入りしてたと思ってんの？




丁度、神木ちゃんが処刑されたみたいだね。


残りは3人…となれば、狼ゲームは成立しない。


さながら、3人で殺し合いでもさせる気かなぁ？








そうなれば、君の弟…森リンタロウ君は、助けに来れないでしょ。







君達が離れ離れになるこの瞬間を、







邪魔されることなく殺して勝てる確率が上がるこの瞬間を、










私は、ずっと、ずっと待ってたんだよ、ミサキちゃん。』














ゴクリ、と、ミサキが唾を飲む。












ミサキ「…そう簡単に、死ぬ気は無いよ、北星ミナちゃん。」

『っ！！！』










パンっ！！！！













刹那、銃声が響き、ミナの手に握られていた拳銃は弾き飛ばされた。

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