羊というよりヤギですね1

xxxvi ページ43

リンタロウ「…ツヅミちゃん？」

『っ！？』



リンタロウ君に声をかけられ、思わず冷蔵庫をバタンと閉じた。


リンタロウ「…………顔が真っ青だけど…どうかしたの？」

『えっ、』



声がうわずる。


やばい。




『あ、いや、なんでもない………よ。ちょっと、気分が優れなくて。』

ミサキ「ほんまや…汗、ひどいで？シャワー浴びてきたらええんやない…？」

『あぁ、うん。そうするよ。…ご飯は、後でもらうね。』




2人に、精一杯の笑みをみせて、足早に部屋をでた。

部屋に戻り、自分のカバンから着替えを取りだし、シャワー室に向かう。





誰もいないのを確認し、自分は、服を脱いだ。






『……………。』









シャワーにうたれながら、大きく1つ、深呼吸をする。







焦るな、落ち着け、動揺を晒すな、落ち着け、いつも通り、いつも通り。




落ち着こうと、すればするほど、さっきのノートが頭の中を駆け巡り出す。

なんで。前はなかったのに。


『……………あぁ、くそ。』




＿＿＿＿＿＿＿＿



＿お金が必要…って、お前一体何考えてる！何をするつもりだ！！


＿別に。需要に答えるだけだよ。今最も注目を集めてるアレ、自分は、アレについて知ってるから。


＿だ、だが…………



＿何を迷ってるんだよ、父さん。





母さんを、見殺しにしたいの？





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





『………っはぁ、最悪だ。』



頭の中のそれを、ため息と一緒にほおり出す。

シャワーの水を止め、着替えた。







『………………さ、てと。』








わざとらしく、声に出す。


無理やり口角を釣り上げた。




『ミサキちゃんの美味しいご飯を食べるとしようかな。』

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