xxxviii ページ40
さて。
結論から伝えよう。
議論の末、小島タケオ君が処刑された。
しかもなんと、彼は羊であったのだ。
つまり、みなの推理は外れてしまったわけである。
いやぁ、なんて可哀想な警察君。無実の罪を着せられて、誰にも信じてもらえずぐしゃりと機械の狼に噛み殺されてしまうなんて…。
うーん、涙がでてくる。悲しいなぁ。
リンタロウ「それ、本当に思ってる?」
『もちろんだとも。』
さっきの処刑について、思ったことを言っただけだと言うのに、リンタロウ君に怪訝な顔をされた。
みんなしてよってたかって、酷いなぁ。正直者だって言ってるのに。
彼の処刑が終わった後3度目のカードを引き、そしてまた例の如く単独行動する流れになったわけであるが、どうしてか信用のない自分は今度はリンタロウ君に見張られることになった。
まぁ、縛られなかっただけ良かったよ。地味に痛いからね、あれ。
『…何さその顔。自分はどうしてこうも信用がないんだろうね?』
リンタロウ「そりゃあ、最初のゲームであんなことしたからじゃない?」
『あんなこと…あぁ、あれね。まぁ、理解してもらおうとも思ってないから別に悲しくは無いのだけれど。』
リンタロウ「さっきまで悲しいとか言ってなかった?」
『記憶にないね。』
いいね、ここの病室の2段ベッド。昔憧れてたなぁ。
まさかこんな状況で子供の頃の夢が叶うなんてね。
リンタロウ「……それに比べて、今回は随分大人しかったね、ツヅミちゃん。」
憧れの2段ベッドの上の段に座って年甲斐にもなく足をプラプラばたつかせていたら、少しいつもよりも落ち着いた声音でリンタロウ君がそう問うた。
彼の視線は土屋タクヤの人形に向いていたけれど、意識はおそらくこちらに向いているのだと直感する。
そっと、服の内ポケットに手を入れた。
リンタロウ「あんなに友達だとか仲直りだとか言っていたのに、タケオさんが疑われた時まるで無関心だったね。
庇うこともないし、煽りもしない。
ほんとに、傍観って感じでさ。」
『…何を考えてるか分からないって言いたいのかな?』
リンタロウ「…まぁね。怒っちゃった?」
『まさか。怒るわけないじゃないか。
自分はみんなと仲良く…』
リンタロウ「それ、聞き飽きたよー。」
リンタロウ君は、ぶんぶんと土屋タクヤ人形の腕を回して遊び出す。
もげないんだろうか、と、若干期待したが、人形は案外頑丈な作りらしい。
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クライヤ(プロフ) - なかねこさん» こちらこそいつもコメントありがとうございます!読んでくれて嬉しいです!!!!!!!!わわ、気が合うなんて、嬉しいっっ。これからも更新頑張ります!!!!!!!!!! (2022年3月18日 7時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
なかねこ - キミガシネの方から来ました!オリちゃんの方も良かったけど狼ゲームの方も凄く良きです!私クライヤさんと気が合うかもしれぬ...更新いつも楽しみにしてます! (2022年3月17日 19時) (レス) @page45 id: c7c3a69365 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - コメントありがとうございます!!!主人公ちゃん人気で嬉しいです!!更新これから頑張ります! (2022年2月26日 5時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - みんなこの主人公大好きだよね‼︎私も‼︎ (2021年12月21日 20時) (レス) @page10 id: 431a156ded (このIDを非表示/違反報告)
青いG(プロフ) - クソ好きです!!!!キミガシネの方も楽しみながら見させていただきました!!!!狼ゲーム大好きなんで、めっちゃ見させていただきます!!!!!!!まいどまいど主人公ちゃんがどタイプです!!!!!ありがとうございます!!!!!(?)更新頑張ってください!!! (2021年11月19日 21時) (レス) @page9 id: 43df3075c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クライヤ | 作成日時:2021年8月13日 16時