羊というよりヤギですね1

xxiii ページ24

リツ「長！」

『なるほどね、つまり意気揚々と武器庫を守ると宣言した警察君はその武器庫から20分も持ち場を離れていて、その間無理やり仕事を強要させた相手に仕事の負担を負わせていたと…』

タケオ「仕方ないだろ腹を壊しちまったんだから！！！！」

『あはは、いやいや失礼、悪意はないんだ。言葉の綾だよ。』

タケオ「悪意しか無かっただろ！！！！」



言葉の綾だと言っているのに、失礼だなあ。
警察たるもの、善良な日本国民の言葉は信じなくてはね。




ユキナリ「その相手って、タクヤさんって、ことだよね？」

タクヤ「お、俺は刃物なんか持ち出してねえぞ！！」

リツ「ほんとかぁ？なんか顔焦ってね？」

サトル「20分あれば犯行は可能では…？」



あぁあぁ可哀想に。

警察君が職務放棄したのにみんなの矛先は哀れな俳優君に向いてしまうなんて。

世の中、不平等だなぁ。これだから最近の若者は。

…ところで、最近の若者の若者の定義は何歳くらいだろう。25までとかなら、自分も入ってしまうな。


………んまぁ、何はともあれ。雰囲気としては完璧だ。

これでみんなの疑いの目は俳優君に…

タクヤ「あ！そうだ、俺が1人で警備していた時、オサムさんが武器庫に来たぞ！」


…おっと。


オサム「確かに、私が行った時はきちんと警備していました。それに私はその場で彼と立ち話を10分以上していたんです。
つまり彼が一人でいた時間なんてほんの数分ですね。」



えーーー。

何やってるんだいドクター。失敗してるじゃないか。

…いやはや、まぁ、仕方ない。仕方ないさ。

切り替えるのが大事。ここで失敗を責めないのができる上司というものだからね。

そうだとも。さぁ、次々…


サトル「い、急げば数分の間でも犯行は可能なのでは？」

わぁおドクター攻め気だね。

諦めてないねドクター。

確かに、某監督も言っていたしね。うーん、自分は某監督の言葉を否定するほど偉くはないからなぁ。彼の行動は否定できないな、残念だけれど。


コウ「…いや、ちょっと待て。」


例え、ガバガバな主張だったとしても、だ。




ドクターの抵抗も虚しく。新村君によって否定されてしまう。

きっと彼はいいバスケットボール選手にはなれないだろうなぁ。
諦めたら終了だっていうのになぁ。



そういうわけで、武器庫のナイフの可能性もなくなった。
依然として凶器は不明のまま。


ドクターの、狙い通り。



…かのように思われた、が。

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