羊というよりヤギですね1

xxii ページ23

『…前きた時、もっとあったような気がしたけれど………。』

ユキナリ「…え、本当に？」

『………いや、気のせいかもしれないし、気にしないでくれ。


……………っと、そうこうしているうちに、もうすぐで12時間経つね。』






ザザーっ、なんてのいずの後、施設内に放送が入った。

狼裁判、開廷のアナウンスだ。








＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



メリー「そ、それではみなさん！狼が羊を殺してから12時間が経過しました！今から狼裁判を開廷します！」





あれから、12時間。

時間というものは、やっぱりあっという間らしい。


今から確実に、誰か1人は死ぬはめになる。




『………………。』





問題はない。



自分は、自分のやる事をやるだけだ。





『さてと。』


狼裁判が開廷した。

メリーの宣言の直後、わざとらしく大きな声でそう呟く。


みんなの視線が集まっているのを確認し、ニコリと笑う。

声は少し大きめに。
場を掴むように、ゆっくりと。


『昨日の夜、海堂ミホさんが植物室で殺害されてしまった。

胸からの大量の出血。

しかし依然として凶器は不明だが、出血量からみて刃物で刺されたと考えるのが妥当だろうね。』


マキ「でも結局、犯行に使われた凶器は誰も見つけてないんでしょ？」

サトル「私も血の着いた刃物なんて見つけていないな…」

コウ「じゃあ狼は刃物を使用し、何事もなかったかのように元の場所に戻したのか？」



この施設に刃物がある場所は、現状2箇所。

キッチン、そして武器庫である。


キッチンの包丁は、"うっかり"ドクターが洗い忘れたために油汚れが着いているため使われたとは考えにくい。

…そうなれば、疑いの目は武器庫に向く。




ミサキ「警備は誰がしとったんやっけ？」

ユキナリ「タケオさんと、タクヤさんがしていたはずだよ。」

タケオ「あぁ、その通りだ。昨日は俺とタクヤさんの2人で武器庫を警備していた。」

『うーん、それならば武器庫のナイフも使えないのかな。

だって、信頼のおける警察君達が、ずっと2人で見張っていたのだからね？』


ユキナリ「…ん？」


自分の念押しに、首を傾げるのものが1人。


いい仕事してくれるなぁ、チェック君。






ユキナリ「そういえばタケオさんが夜にトイレにこもってたって聞いたんだけど？」


タケオ「あ、あぁ、少し腹を壊してしまって…」

『へぇ？そうなんだ。ちなみにどれくらいの時間トイレにいたんだい？』

タケオ「…20分ぐらいだな。」

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