羊というよりヤギですね1

xx ページ21

『君とは歳が近そうだと思うんのだけれど、幾つだい？あ、自分は21なのだけれど。』

ミサキ「あ、19やで。」

『あぁ、やっぱりそうなんだね。歳が近いと親近感が湧くね。』

そんな調子で、とりとめのない話を続ける。
最初こそ”えぇ、”とか、”うん”と話を聞く側に回っていた彼女だが、すこし会話を続けるうちにだんだん調子を取り戻してきたようだった。

服装について褒めれば、なにかのコスプレらしい。
なるほど、レイヤーってやつか。美人さんだし、そのキャラについて知らないけれど、きっと知ってる人から見れば高クオリティなのだろう。

お胸もさぞ立派だし、きっとモテるだろうなぁ。



『…さて、それじゃあ自分はそろそろ失礼しようかな。急に話しかけて悪かったね。』

ミサキ「ううん、ありがとう、心配してくれて。」

『いいえ。』

にっこり笑いかけて、彼女に背を向ける。


さて、次は何をしようか。
きっとドクターは話に入って誘導でもしてるだろう。

となれば……



ミサキ「…ねぇ、ツヅミちゃん。」

『ん？何かな？』


だしかけていた足を止め、振り返った。


彼女は、こちらを見すえていた。






ミサキ「もし…もしもツヅミちゃんが狼だったら、人を殺す？」





『……………。』







『………………………





ははは、そんなわけないじゃないか。自分は、みんなと仲良くしたいからね。

誰かを殺したいだなんて、万が一にも思わないよ。』





ミサキ「……………………そ、っか。」





もう一度笑いかけ、今度こそ部屋を出る。




今の言葉をどう受け取ろうが、自分の知ったところではない。

そんなことよりも、自分には色々する事があるのだからね。




うーん、忙しい忙しい。

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