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マキ「ね、ねずみ!?」
話を聞くや否や、彼女はわかりやすく顔を歪ませる。
『やっぱりドクターもそう思うかい?自分も、まだこの部屋にいるんじゃないかと思うんだよね。』
マキ「ひっ………そ、そうだったのね。そ、それじゃあ私は部屋に戻るわ。」
サトル「そうかい…?わ、わかったよ。」
ガチャり、と、ドアが閉まる。
わかりやすい彼女の出た先を数秒見つめ、彼は大きく息を吐いた。
サトル「…そ、それにしても、狼は、私だけかと思ってたよ…」
『安心するのはまだ早いよ、ドクター。死体が見つかるのも時間の問題だろうし、何より注射痕が見つかれば真っ先に疑われてしまうのはドクターじゃないかな?』
サトル「た、確かに………」
安心もつかの間。彼は再び険しい顔をする。
サトル「……要するに、注射痕がみつかれば私が疑われる…
………だから、死因を別のものに思わせればいいんじゃないか?」
『ふぅん?でも、どうやるんだい?』
サトル「それは…………
…………………そうだ、血液……血液はどうだろう。
3階に、輸血パックがあったはずだ。」
『なるほど…確かにそれならば、死因は出血多量だと誤解させられるかもしれないね。ということは、弁護士様は刃物で刺されたとなるわけだ。』
サトル「問題は凶器だな…私が認識している刃物は、キッチンの包丁か武器庫のナイフぐらいだが…ツヅミさんも、そうかい?」
『そうだね。自分もその認識だよ。武器庫には見張りが2人。まぁ、普通に考えればキッチンの包丁となるね。』
サトル「…いや、あえて武器庫のナイフを使ったようにすればいいんじゃないか?もし何らかの方法で見張りを1人の状況にできたとしたら、その人物に疑いがかかる!」
さっきまで青い顔をしてきたドクターの目が、活力を取り戻し始めた。
どうやら、会話の中で彼の中で完璧な作戦が出来上がったらしい。
黒い笑みを浮かべる彼を横目に、立ち上がる。
にっと、口角を釣りあげて見せた。
『…さてと。それじゃあ手分けしようか。1人が輸血パックを入手する、もう1人がみはりをどうにかする。…ドクターはどっちがいい?』
サトル「えっ、あ、…………
………
………………見張りの方を、どうにかするよ。」
『…了解だよ。』
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クライヤ(プロフ) - なかねこさん» こちらこそいつもコメントありがとうございます!読んでくれて嬉しいです!!!!!!!!わわ、気が合うなんて、嬉しいっっ。これからも更新頑張ります!!!!!!!!!! (2022年3月18日 7時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
なかねこ - キミガシネの方から来ました!オリちゃんの方も良かったけど狼ゲームの方も凄く良きです!私クライヤさんと気が合うかもしれぬ...更新いつも楽しみにしてます! (2022年3月17日 19時) (レス) @page45 id: c7c3a69365 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - コメントありがとうございます!!!主人公ちゃん人気で嬉しいです!!更新これから頑張ります! (2022年2月26日 5時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - みんなこの主人公大好きだよね‼︎私も‼︎ (2021年12月21日 20時) (レス) @page10 id: 431a156ded (このIDを非表示/違反報告)
青いG(プロフ) - クソ好きです!!!!キミガシネの方も楽しみながら見させていただきました!!!!狼ゲーム大好きなんで、めっちゃ見させていただきます!!!!!!!まいどまいど主人公ちゃんがどタイプです!!!!!ありがとうございます!!!!!(?)更新頑張ってください!!! (2021年11月19日 21時) (レス) @page9 id: 43df3075c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クライヤ | 作成日時:2021年8月13日 16時