xv ページ16
弁護士様が目を閉じたのを確認し、床に転がったドクターに目を向ける。
『早くしないと、起きちゃうんじゃないかな?彼女。』
ドクターは、ぽかんと口を開けたまま起き上がる。
サトル「……どう、いう、」
絶体絶命だと思っていたのだろう彼のその言動は、わかりやすく動揺を表していた。
早くしろと言っているのに。
そう思いながら立ち上がり、依然としておしりをついたままの彼の前に立つ。
『自分だけかと思ってたけど、ドクターも同じだったみたいだから協力したってだけだよ。』
そう言うと、彼は、目を大きく見開いた。
サトル「おな、じ…………って、まさか!」
『おっと、大きい声は出さないでくれないかな。ただでさえドクターが転んだ時に物音がしてるんだ。
少し会話を聞いてたから、コーヒーに睡眠薬が入ってることは察したよ。何か策があっての行動だろう?
こっちだって、命がかかってるからね。見張ってるから、やるならやってくれないかな。』
そう告げて、ドアを少し開けて外の様子を探る。
自分が言ったことを理解してくれたらしく、ドクターは頷くとおぼつかない足どりながらもミホさんの元へ駆け寄った。
ブツブツと、彼が何かを呟いているのが聞こえる。
それから1分ほどたった頃、”うっ”という苦しむ声が聞こえた。
やっと、実行したらしい。
サトル「はぁ…はぁ…………」
パリン
その直後、ガラス壊れる音が聞こえる。
振り返ると、彼の足元に粉々になった注射器らしきものが散らばっていた。
『…………誰か来た。早いとこ、彼女を隠そうか。』
サトル「なっ、わっ、わかった。」
2人でもう息をしていない彼女を持ち上げる。
ソファーの後ろに彼女を隠し、注射器の破片を拾い上げる。
自分がソファーに腰かけたところで、植物室のドアが開いた。
マキ「サトルさんに、ツヅミちゃんか…」
『やぁ。どうも。どうかしたのかい?』
マキ「いや、なんか廊下歩いてたらこの部屋の方から物音が聞こえてきて、どうしたのかなって…」
自分とドクターを交互に見る彼女。
その眼差しは、疑っていますと言わんばかりである。
冷や汗を流す彼を横目に、自分は、大きくため息をついてみせた。
『実は、さっきネズミが出てね………恥ずかしい話だけど、2人とも驚いて逃げたりしてたから、きっとそれかもしれないよ。…ねぇ、ドクター?』
サトル「あ、あぁ!まだこの部屋にいるかも…」
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クライヤ(プロフ) - なかねこさん» こちらこそいつもコメントありがとうございます!読んでくれて嬉しいです!!!!!!!!わわ、気が合うなんて、嬉しいっっ。これからも更新頑張ります!!!!!!!!!! (2022年3月18日 7時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
なかねこ - キミガシネの方から来ました!オリちゃんの方も良かったけど狼ゲームの方も凄く良きです!私クライヤさんと気が合うかもしれぬ...更新いつも楽しみにしてます! (2022年3月17日 19時) (レス) @page45 id: c7c3a69365 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - コメントありがとうございます!!!主人公ちゃん人気で嬉しいです!!更新これから頑張ります! (2022年2月26日 5時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - みんなこの主人公大好きだよね‼︎私も‼︎ (2021年12月21日 20時) (レス) @page10 id: 431a156ded (このIDを非表示/違反報告)
青いG(プロフ) - クソ好きです!!!!キミガシネの方も楽しみながら見させていただきました!!!!狼ゲーム大好きなんで、めっちゃ見させていただきます!!!!!!!まいどまいど主人公ちゃんがどタイプです!!!!!ありがとうございます!!!!!(?)更新頑張ってください!!! (2021年11月19日 21時) (レス) @page9 id: 43df3075c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クライヤ | 作成日時:2021年8月13日 16時