羊というよりヤギですね1

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『2人は一緒に行動してるのかな？まぁ、そうは見えないけれど。』

コウ「じゃあ聞くな。さっきそこで会っただけだ。」

部屋に入るなり、隈無く探索しだす新村君。
一方で、虹色君はひょうひょうとした笑顔で自分のもとに近づいてきた。


リンタロウ「コウ君、ツヅミちゃんにはしないの？」

突然そう言う虹色君。

なんの事かわからない自分を差し置いて、新村君は返答する。


コウ「あぁ、別にいい。」

リンタロウ「えぇー？そうなの？よっぽど信頼してるんだねー。いつの間に仲良しになったの？」

コウ「はんっ、信頼してる訳じゃない。無駄な労力を割きたくないだけだ。」

リンタロウ「ふーん？」

『…何の話かな？』

会話に一段落付いた頃を見計らい尋ねる。

まるで空気だったね、自分。悲しいなぁ。



リンタロウ「身体検査だよ。コウ君、用意周到だね。」

『あぁ、なるほどね。ちなみに、誰か怪しい人はいたのかい？』

コウ「いいや。」




リンタロウ「…ねぇ、ツヅミちゃん。」

『ん？何かな？』

さっきまで新村君に向いていた視線が、自分に向けられるのを感じた。
見れば、薄紫色の瞳が自分をとらえている。



リンタロウ「ツヅミちゃんは落ち着いてるみたいだけど、この状況、怖くないの？」

表情は依然として笑顔のままだ。
だから自分も、笑顔を返す。



『もちろん、怖いに決まってるじゃないか。だからこそ、頼りになる大人達がいてくれて助かるよ。』

リンタロウ「…」

じっと、瞳の奥を覗かれた気がした。

そんな彼の瞳を、今度はこちらが見つめ返す。


『…虹色君こそ、どうなのかな？』


リンタロウ「…僕の名前は、飯田リンタロウだよ、北星ツヅミちゃん？」

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