◇馬が合わない6 ページ31
「どうやら鍵が開いたようだよ。やっと出られるようだね。」
飄々とした態度で、ツヅミがドアへと向かう。
その表情は自己紹介をした時からずっと変わらない、嘘くさい笑顔だ。
『さっきの、どういう意味ですか？』
口が勝手に動いた。
聞かずには、いられなかった。
「言った通りだけど？」
ツヅミさんは、笑っている。
『自分のためなら、人が死んでもいいってことですか？』
「さっきそう言っただろう。
……何か、お気に召さなかったかい？」
『っ＿！！』
気づけば、彼女の胸ぐらを掴んでいた。
なんで、そんな事を言えるんだ。
なんで、笑ってそんなことを言ってるんだ、この人は。
『…本気でいってんの？』
「…だったらなんだというのかな。」
『人の命を犠牲にするって、どういうことかわかってる？
なんでそんな表情で、簡単にそう言えるわけ！？』
いい人だと思っていた。親切な人だと思っていた。
…だけど、違う。
あの時に似ている。
ホエミーに会った、あの時と。
その時、私は思った。
この人とは、馬が合わない、と。
「簡単に…ね。
随分お怒りのようだから正直に言おうか。
…君が自分の何を知ってるって言うんだい？」
自分を掴んでいる腕を掴んだツヅミさんはまた笑う。
でも、今までの作り笑いとは、少し違う。
目が、笑ってない。
『っ…！！』
「他人に君の思想を押し付けないでくれないかな。確かに自分も君のことを理解してるわけじゃない。
もしかしたら、辛い思いを経験してきたのかもね。
…でも、だったらなんだって言うんだい？
辛い経験をしたから、自分は正しいとでも言うかい？
…自分の答えは変わらないよ。
君がどうしようが、自分は生きることに執着する、
他人を犠牲にしてでも、自分は生きる。」
『…だとしても、
だとしても私は、貴方の言うことに納得できないし、
だからといってなら仕方ないですねなんて受け入れることは出来ない。
…貴方が見捨てるのなら、私はその分助けます。
無理だとしても、最後まで諦めたりなんかしない。
…自分を犠牲にしてでも、私はみんなを助ける。』
視線が交差する。
「あっそ。
…さて、それじゃあね九重オリちゃん。
二度と会わないことを願うよ。」
『奇遇ですね、私もです。北星ツヅミさん。』
彼女の背中を見て思う。
あの人が、嫌いだ。
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みょん(プロフ) - うわぁ！こっちもいい！オリちゃん＆ソウもいいけど、私はやっぱりオリ＆ユキヤかなぁ！ユキヤくんは報われてほしい（願望）できれば二人がくっついてくれませんかね……。本編も番外編もどっちも大好きです。早くキミガシネの続編出ないかなぁ。 (2023年2月22日 7時) (
レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
柊。 - 先輩発作起きますって (2022年10月15日 22時) (レス) id: 595642c653 (このIDを非表示/違反報告)
パラるらパラるらﾌﾟﾋﾟｰ(プロフ) - コメント失礼します！！！ワイ的にはゆきをとおりちゃんのペアが大好きなのでオンリーがいいです！！！ご検討ください！！ (2022年6月26日 23時) (レス) @page33 id: ef041b84a4 (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - コメント失礼致します！！個人的にはオンリーがいいですかね……ソウさんとの方は本編で十分やってますし…… (2022年6月26日 22時) (レス) @page33 id: 308d37e7a7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - コメント失礼します！三角関係が自分は見てみたいです！ｸﾗｲﾔ様の作品楽しみにまってます！これからも頑張ってください！ (2022年6月26日 20時) (レス) @page33 id: 636d5f9292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2021年8月16日 12時
