キミガシ……え？死ななくていいって？3

〈いい子じゃないけど〉3 ページ23

ジョー「確かに、そう考えるだろうなぁ、素人ならば。」

ソウ「いや素人ってなに。」



ケイジ「確かにユキヤはミステリー好きだ。だけど、それ故にミステリーの本や記事なんかはほぼ読破済みなんだよ。」

キサラギ「うわ、なんか得意げな顔で説明しだしたんやけど。」


サラ「ユキヤは外見に気を使うオシャレDKです。本当はアクセサリーとかが欲しいお年頃なんです。ファッション雑誌をガン見するくらいに。」



ジョー「…でも、オリが言っていた。ユキヤは姉に負担をかけないように、自分のお金は生活費にあてて欲しいものを諦めていたんだと…。」

なんて良い奴…………

ぐっ………と、5人は目頭をおさえる。



ソウ「腹黒のくせに…」

キサラギ「家族思いのええやつやん…」

サラ「本当はオシャレ好きなのに…健気なヤツめ…」


＿＿＿＿


ユキヤ「へくしゅっ！！！………………ぐぅ、」



＿＿＿＿＿＿＿＿

5人が涙を拭ったところで、話は元に戻り。


ケイジ「じゃあ、ユキヤはアクセサリーってことで決定だね。次はオリちゃんだけど………」



サラ「ゲームだな。」
ジョー「ゲームだろ。」
ケイジ「ゲームだね。」








ソウ「………はぁ、やれやれ。君達まるでわかってないね。」

サラ「えっ、」


キサラギ「ソウの言う通り、なぁんもわかっとらん。考えが浅はかやわ。」


ジョー「なんか俺らの時と比べて毒気多くない？」

ケイジ「オリちゃんと一緒にいる男子ってみんな腹黒くてひねくれてるからね。」


ギロリと睨まれるケイジ。
すすーっと、視線を逸らし口笛をふいた。




ソウ「確かにゲームをあげたら喜ぶだろうね。だけど、オリがほんとに欲しいのはそういう物じゃない。」

キサラギ「オリの耳、よぉく見るとピアス穴空いてんねん。そんで、ピアスしないんか？って聞いたら、アイツ、なんて言ったと思う？



”あぁ、まぁ、親の注意引きたくて開けただけなので。意味なかったですけど。”って。」



再び目頭をおさえる5人。





サラ「私が育てる…」

ケイジ「女の子なんだから、オシャレしていいんだよ…」

ジョー「おやつのプリンとかあげて撫でてあげたい…」








涙に濡れた作戦会議。


クリスマス当日、高校生2人が心底嬉しそうにみんなにクリスマスプレゼントのピアスを見せびらかし喜びあいサンタに感謝する姿に再び涙する事になろうとは、この時はまだ知らないのであった…

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