〈世間的にはこれをデートと呼ぶらしい〉1 ページ14
『………。』
花子「…オリちゃんが機嫌悪そうなの、珍しいね。」
山田「だよな…。朝からずっと外ばっか眺めてるし…。」
『……………………。』
ユキヤ「ていっ。」
『いっ…。』
後頭部を小突かれた。
外に向けていた視線が、教室内に戻される。
ユキヤ「なぁにおっかねー顔してんだよ。」
小突いた張本人であろう見知った彼は、私の前の席に座ると私の顔を覗き込んだ。
数秒見つめ返す。
…が、私は結局口を噤んだまま目線を机上へ落とす。
ユキヤ「………………なるほど。」
そんな私の態度を見たユキヤは、いつものように煽るでもなく、かといってこんな態度におこるでもなく、一言、そう呟いた。
ユキヤ「今日、バイトは？」
首を横に振る。
ユキヤ「そうか。………よっし。」
がたっ、と、椅子の動く音と同時に、パーカーのフードをグッと被せられる。
狭まった視界の中で、ユキヤはにっと笑った。
ユキヤ「それじゃ、行くか。」
_____________
_今月、私達の新曲がー………
知らないアイドルグループの宣伝放送。
知らない人の、ドア越しにかすかに聞こえる歌声。
聞きなれた騒がしさの中、聞きなれた声を自然と探す。
ユキヤ「高校生2人、フリータイムでお願いします。」
「かしこまりました。」
マイクとグラスを受け取るユキヤ。
彼の後に着いていく。
ユキヤ「えーっと？…あぁ、ここだわ。」
指定の部屋を見つけたユキヤが、ドアを開ける。
私も、部屋の中に入る。
バタン、と、部屋の扉が音を立て閉まった……その瞬間。
『ゆきやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………。』
今世紀一情けない声をあげながら、ばっと腕を広げてよたよたとユキヤに近寄り、抱きついた。
予想してたと言わんばかりに、ユキヤは呆れたように笑いながら私の背中に腕を回す。
ユキヤ「家族に、またやな事言われたのか？」
『…………うん』
ユキヤ「そうか。よく頑張ったな。」
『んぬううううううう……………』
自分でもよく分からない呻き声をあげながら、ユキヤの肩にグリグリと顔を押し付ける。
ユキヤに抱きつくと、なんだか安心感がある。
それに気づいたのは、つい先週の事だ。
今日の如く、家族との事ですり減ったメンタルが笑顔を取り繕うのさえ億劫に感じる程限界に達していた時、目の前にいたユキヤに抱きついたら存外満たされた気分になったのである。
彼氏様様とは正しくこのことだろう。
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みょん(プロフ) - うわぁ！こっちもいい！オリちゃん＆ソウもいいけど、私はやっぱりオリ＆ユキヤかなぁ！ユキヤくんは報われてほしい（願望）できれば二人がくっついてくれませんかね……。本編も番外編もどっちも大好きです。早くキミガシネの続編出ないかなぁ。 (2023年2月22日 7時) (
レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
柊。 - 先輩発作起きますって (2022年10月15日 22時) (レス) id: 595642c653 (このIDを非表示/違反報告)
パラるらパラるらﾌﾟﾋﾟｰ(プロフ) - コメント失礼します！！！ワイ的にはゆきをとおりちゃんのペアが大好きなのでオンリーがいいです！！！ご検討ください！！ (2022年6月26日 23時) (レス) @page33 id: ef041b84a4 (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - コメント失礼致します！！個人的にはオンリーがいいですかね……ソウさんとの方は本編で十分やってますし…… (2022年6月26日 22時) (レス) @page33 id: 308d37e7a7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - コメント失礼します！三角関係が自分は見てみたいです！ｸﾗｲﾔ様の作品楽しみにまってます！これからも頑張ってください！ (2022年6月26日 20時) (レス) @page33 id: 636d5f9292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｸﾗｲﾔ | 作成日時：2021年8月16日 12時
