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紅華学園は、100年の歴史を持つゆえに、
他の学校にはない伝統が存在する。


「おはようございます!
遅れて申し訳ございません
予科生39名、欠席者1名です!」

予科委員長の杉本さんの声がクラスの中でよりも、じゃっかん緊張の色があるような気がする。

貫禄ある本科生の委員長っぽい人が代表して前に出た。

「大丈夫遅れてないわ、6時5分前よ
予科生の皆さんおはようございます、本科委員長の竹井です、記念すべき一日目の授業に入る前に
私達本科生が我が学園の伝統「朝の清掃」を指導します」


普通の学校ならクラスで2人ずつ各委員会での役割があると思うが、紅華では予科生一名に対して本科生一名が指導にあたり、その本科生は一年間の生活指導も務める伝統がある。

そのため組んだ本科生によっては予科生活が地獄になることもあるらしい。



「相原美久さん、よね」

私の担当の本科生の方が目の前に現れた。

「はい、相原美久です」

「担当の早川陽菜乃です、一年間よろしく」

「よろしくお願い致します」

私の担当本科生は早川陽菜乃さん…あれ、前に聞いたことがあるような気がする…

「その顔、やっぱり忘れてるみたいね。何役かオーディションで同じグループだったんだけど…」

話は見えてきたけど、どう言葉を繋げれば良いか分からない。

「あそこにいた時はあなたに飲まれっぱなしだったけど、紅華ではそうもいかないわ。しっかり面倒みるから、へばらないでね」

「は、はい!」

陽菜乃先輩は児童劇団時代の先輩でした…。

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作者名:アルテミリア | 作成日時:2021年9月15日 9時

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