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春になって学年が上がりついに高校生活最後の年。
今日も当たり前のように2人並んで歩く。
薮｢昨日○○っていう映画のDVD借りてきてね〜…｣
隣で楽しそうに昨日見た映画の話をしてくれる。
俺は笑って頷いて話を夢中になって聞いた。
｢俺も借りてきて見ようかな？｣
薮｢そうしなよ！大ちゃんも絶対好きだよ｣
薮くんが好きな映画なら俺も見なきゃね？
嬉しそうに｢そっか〜、大ちゃんも興味持ってくれたか〜｣なんてルンルンしてる。
桜が舞う穏やかな日常の中で
薮くんのクルクル変わるひとつひとつの表情を
なるべく見落とさないように、忘れないように、目の奥に焼き付けていく。
なぜかそうしなきゃいけないような気がした。
当たり前に繋がれたこの手が
離れる日なんて来ないはずなのに。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あれから無情にもあっという間に季節は過ぎて
｢薮くんはもう進路は決めてる？｣
薮｢やりたいことは見つかったかな〜。大ちゃんは？｣
｢俺はまだ…何も見つからなくて…｣
移りゆく季節は少しずつ少しずつ何かを変えて行く。
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薮｢大ちゃんに言わなきゃいけないことがある。｣
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作者名：みらい | 作成日時：2019年1月30日 3時
