事件の近くに猫谷さん【名探偵コナン】

73話 ページ42

「しかし、こうなると矢島さんにだけかるたが送られてへんかったちゅうことに…｣

いや、あるでしょ。

あの殺人現場のそこら中にかるた札が落ちていたのだから。

「矢島さんの殺害現場にも、かるた札のメッセージはちゃんとあったんじゃない？｣

コナンくんの後を服部くんが続ける。

「つまりや、真犯人の名頃は矢島さんを殺害した後、自分の得意札を残し現場を後にした。けど、後から来た関根がその工作をさらに偽装してしもたっちゅうこっちゃ！｣

そう考えれば、かるたのことも関根さんのことも辻褄は合うだろう。

「成る程…現場に残されたメッセージで名頃が矢島を殺害したと確信した関根は、かつての師匠の犯行を隠すため、家中を荒らし強盗に見せかける偽装をしたわけやな｣

「警察より先に関根君があの現場にいた、言うんですか？｣

「ええ、その可能性は非常に高い｣

高いって言うより確実にそうだろうな。

するとコナンくんは誰かに解析してもらったのだろう現場の写真をテレビに映し、分析の結果を伝えてくれた。

「かるたに付着した血しぶきの向きや形状なんかから、殺害時、どんな風に並べられてたんかが割り出せてる筈や｣

テレビにかるたの取り札がずらりと並んだ写真が映し出される

…たぶん矢島さんが握らされていた札は恐らく…

「"山がはに 風のかけたる しがらみは 流れもあえぬ 紅葉なりけり"…｣

やっぱり名頃さんの得意札…を

「やっぱり、矢島さんのところにも名頃の得意札はあったんや｣

そして今まで犯行が行われてきた日売りテレビ、矢島さん、関根さん、さっき判明した紅葉さんに送られていた札は、共通して"紅葉"が読み込まれている。

でもどこか引っかかる。

「やはり全てが名頃の得意札っちゅうわけか…｣

「うむ。真犯人は名頃鹿雄とみて間違いなさそうやな！｣

本当に？

本当に名頃鹿雄の犯行なのだろうか。

いや今はそんなことを考えることはよそう。

今重要なのは名頃さんの得意札がまだ2枚残っているということだ。

つまりまだ2人のターゲットがいる可能性が高いということ

…もう少し詳しく調べる必要がありそうだな…

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