事件の近くに猫谷さん【名探偵コナン】

58話 ページ27

「皐月会のもんや、通してくれ」

私達が矢島さんの家を出ると誰かと警察が揉めていた。

「待ってください。今、確認を取りますんで！」

「関根君！今まで何をしとったんや？何度も連絡したんやぞ｣

ああ。矢島さんの代わりに出演させようとしてた…

「すんません、会長。ゆうべ深酒してもうて、携帯の充電切れにも気付かんと、寝てしもたから…｣

阿知波会長はすっかり呆れ顔だ。

「いやぁ、目ェ覚ましたらニュースでテレビ局が爆発したとか言うてるし、会に連絡したら会長は矢島の所で僕を探しとる言うし、慌てて来たら何やこの騒ぎやし…｣

まぁ驚くのも無理は無いね。

「こない警察が集まって、矢島はどないしましてん？｣

「矢島君は…殺されてしもうた…」

関根さんは驚いて声も出ない様子だ。

「強盗の仕業っちゅうことらしい。渡り廊下にあった刀で…｣

「刀て、そんな…｣

「阿知波さん、こちらの方は？｣

言葉を失っている関根さんに綾小路警部は声をかけた。

「こらスンマセン！皐月会会員でカメラマンやっとります、関根康史いいます｣

これまた皐月会…

どうやら関根さんは矢島さんのライバルらしい。

ここ2年の皐月杯の決勝は関根さんと矢島さんの対戦らしい。

結構すごい人らしいね。

でも…、と関根さんは頭をかいた。

「まぁ二年連続負けで、今年こそは思てましたんやけど…もう彼とも対戦できんのですね…｣

「それで、大会は予定通り開催するんでしょうか？｣

おっちゃんがそう会長に聞いた。

「ああ…それなんですが、どないしたもんかと…｣

すると関根さんは猛反発した。

「会長っ、あきませんで！
矢島の死で伝統ある皐月杯が中止になってしもたら、矢島は無駄死にどころやない、殴られ損や！！｣

コナンと服部くんは鋭い眼差しを関根さんに向けた。

…そう失言してしまったのだ彼は。

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