事件の近くに猫谷さん【名探偵コナン】

54話 ページ23

「殺されたんは矢島俊弥さん。造り酒屋の御曹司で、この豪邸に一人で住んではったそうや。死亡推定時刻は早朝6時頃。遺体発見は八時間後の午後2時…
ああ、足元気ぃつけてください。派手に荒らしていきはったんで。」

離れに続く廊下には、割れた花瓶や小物が散乱していた。

「それで聞きそびれたんですけど貴方はどちら様で？」

あ、見るからに怪しいか。

室内でサングラスしてるし。

『私も毛利小五郎のツレです。あ、名前は在原Aって言います。』

「そうですか。私は綾小路と言います。よろしゅう頼みますわ。」

進んでいくと、現場である和室の前に阿知波会長とおっちゃんがいた。

「現場の状況から見て、強盗殺人で間違いないでしょうな」

…たしかに荒らし方はだいたい強盗だ。

でもどこか引っかかる。

情報不足で真偽が分からないのがもどかしいね。

この後調べるか…。

「ええ、我々もそう考えてます。何者かが金品を目的で侵入。矢島さんと鉢合わせたと…」

「犯人は咄嗟に盗もうとしていた日本刀で撲殺。その後、金を取って逃げた…」

現場をのぞき込むと和室の真ん中で頭から血を出して倒れている矢島さんの周りには、かるたの札が散らばっていた。

…血痕の跡が札によって大きく違う。

誰かが故意に変えたって事だ。

私は現場を見て考え込むのだった。

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